小児科 すこやかアレルギークリニック

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ぜんそく児が新型にかかると
2009年12月18日 更新

新型インフルエンザが上越でも広がっていますが、ここ最近は受診者数が減ってきているように思います。

いい傾向だと思いますが、ただこのままで済むとは思えず、引き続き注意が必要でしょう。

ただ、「新型インフルエンザにかかって死ぬんじゃないか」という親御さんはかなり減っています。周囲に実際に新型にかかり、あっという間に治療で治ってしまう子ども達を目にしているからだと思います。

当院では、軽症から重症なぜんそく患者さんを診ています。基礎疾患があり、新型にかかると重症化しやすいと言われて久しいですが、少なくとも小児で、ぜんそく児が新型にかかり呼吸不全で亡くなったとはあまり聞きません。以前は死亡例があると「何例目の死亡がありました」と報道していましたが、最近そういう報道をしなくなったからかもしれませんが。

県内でも、新型にかかりぜんそくがなくても呼吸困難に陥る子どもが時々みられるという話はありました。それを私はぜんそくが見逃されているせいじゃないかと思っていました。

小さい頃にゼーゼーを繰り返していて、本来ならぜんそくと診断されるべきお子さんが“気管支炎”や“ぜんそく性気管支炎”と中途半端な診断をされていて、ぜんそくがまだ治っていない状況で新型にかかるとぜんそくが表面化して喘鳴や呼吸困難を来たしているんじゃないかと考えていました。

実際、当院では明らかなぜんそく患者さんを見逃していないつもりなので、かかりつけの患者さんが新型にかかっても、重い発作を起こす子はまずいません。吸入ステロイドを連用しているようなぜんそくの重いお子さんでも、場合によっては咳がまったく出ないケースさえあります。

しかし、先日出席した小児アレルギー学会で、新型インフルエンザが話題に上った時に、新型インフルエンザにかかると肺炎になったり、通常の季節性インフルエンザの時よりも重いぜんそく発作を起こす子が多いのではないか、と報告されていました。これはアレルギーを専門的に診ている先生方の報告ですので、どういうメカニズムかは分かりませんが、一部そういう患者さんがいるのも事実なのだと思います。

私自身の現時点の印象と、他の専門医の先生の印象が一部異なっているのです。当院のぜんそく患者さんでもそれなりの人数は新型にかかっていますが、今のところ重症化したお子さんがいないだけなのでしょう。学会で、そういう話を聞きましたので、私も心して診療に取り組むことができます。

開業医は本当に孤独です。ともすると「井の中の蛙」になってしまいそうです。上越は田舎なので、「お医者さまの言うことは絶対」という雰囲気は残っています。RSウィルスに気づかずに、抗生剤の点滴を繰り返す小児科医もいます。ぜんそくなのにマイコプラズマと診断し、良くならないのを耐性菌のせいにしている医師もいます。患者が素直に聞き入れてばかりいるので、「裸の王様」になってしまっています。

教師も適正を問われるケースがあるようですが、医師も同じでしょう。常に100%正しいことをできる医師はいません。学会に参加するなどして「自分のやっていることは正しいのだろうか?」と自問自答する姿勢がなければ、ほとんどの医師が「裸の王様」に成り得ます。

新型の流行はまだまだ続きますが、ぜんそく児が重症化する可能性を常に考えながら、対応していきたいと思っています。