新型インフルエンザは、さほど増えていない印象があります。しかし、県内の学級閉鎖の状況を見ると、小学校は人口の多い新潟市や長岡市よりも上越市の方が多いんですね。
当院は、小中学校の間では知名度がまだ低いこともあり、この年代のお子さんが急に熱が出ると小児科や内科•小児科に行かれるのでしょう。当院独特の患者層ってのがありそうです。
ぜんそくなどの慢性疾患を持つ親御さんは平穏無事なお正月休みを望まれます。当院も年末年始は1週間弱のお休みを頂きますので、咳が出ていて様子を見ていたのを、年末年始が近づくと心配になってぜんそくの薬をもらいにきたとおっしゃる方も増えます。
24日の外来は、休み明けというのもあるでしょうが、かなり混みました。当院は電子カルテを用いていますが、パソコンの画面で待っている患者さんの名前をクリックすると、その患者さんのカルテが開きます。診察が終わってカルテを閉じると、待っている患者さんのリストが表示されます。
診察が終わるとそのリストから消えますので、待っている患者さんが画面上にズラリと並んで、しかもピンク色に表示されます。夕方になって、パソコンの画面があれよあれよという間に一面ピンク色に染まりました。40人表示される画面がです。さすがに焦りました。
普通なら診察のスピードをアップしますよね。私もそうしたいのですが(気持ちの中ではそうしているつもり)、できない理由があります。
私が最も嫌いなのが「話半分に診察室を追い出されるように出されて何も聞けなかった」という患者さんが少なくありません。聞きたいのに聞けない関係って“かかりつけ”とは言えないと思うのです。ましてや、当院の場合は市外からの受診も多いので、色々と質問されることもあります。当院に来られる価値を見出して遠路遥々受診される方をいい加減な対応で帰すことはできません。
あそこにいけば相談に乗ってもらえる、とお考えの患者さんも少なくなく、ここぞとばかりに3つも4つも質問攻めにあうことも多々あります。誰かが答えなければならないのです。「私が応えなければならないだろうな」とも思っています。
また、ぜんそくで治療中のお子さんの咳が増えたとします。「点滴しよう」という医師もいるでしょうが、たいした解決にはならないと思います。アレルギー専門医は、治療中なのになぜ悪化したのだろうと考えます。悪化要因を考えないと、また同じことを繰り返すからです。
そういった患者さんが多いと、ひとりひとりの話をよく聞いて、何が悪化させたかを確認する必要があります。RSウィルスだったり、風邪だったり、マイコプラズマだったりときっかけは感染症のことが多いのですが、運動や冷気だったりすることもあります。ひとつひとつ解決できることは解決しなければ、主治医の責任を果たしていることにはならないと思っています。
ぜんそくなどアレルギーの管理は、親御さんを第二の主治医と捉え、医師と二人三脚で問題を解決していくことが重要です。仮に台風の接近により、お子さんの咳が増えたとします。台風などの自然現象は避けようがありませんが、親御さんには「台風の接近でぜんそくが悪くなるんだ」と知って頂くことは大切だと思います。
風邪ならパパっと診察して「風邪薬を出しておくね」で済むでしょうが、アレルギーはそれではいけないし、患者さんと共に歩むという姿勢がなければ、まともな医療はできないと思っています。時間をある程度はかけないといけないのです。
しかし、さすがの私も電子カルテの画面がピンク一色になった時は、ヤバいと思いました。それなりのストレスがかかりますから、胸の辺りが嫌な感じになりました。「これが“胸部不快感”ってやつなんだな」と思いました。でも誰も助けてはくれないので、ひとりひとりに丁寧に対応していくしかありません。
2009年の診療もあと数日になりましたが、患者さんが安心して正月休みを過ごせるようにコツコツとやっていくしかないんだなと思っています。


