私が子どもでならば、病気になっても検査や点滴はあまりして欲しくありません。
それは単純に痛いから、嫌なのです。ですから、当院は検査も点滴も「念のため」とか「やっておいた方がいい」ぐらいならやらないようにしています。
しかし、熱が続いたり、脱水が間違いなくあると思えば、「検査や点滴をしない方がかわいそう」と考えて検査をやらせて頂いています。少し前も書きましたが、当院での採血は、基本的に熱が3日続いた場合にさせて頂いています。
先日、39℃の熱が出て元気のないお子さんが受診されました。熱が2日目だったのですが、いつもよりは明らかにぐったりしています。“小児科医の直感”で検査をさせて頂きました。
結果は、風邪などのウィルス感染ではなく、白血球数と炎症反応の値が高いという細菌感染を濃厚に疑わせる結果でした。炎症反応が結構高かったので、病気の勢いが強いので熱が下がらないのだろうと考え、点滴の中に抗生剤を入れて治療をした方がいいと判断しました。そのままこじれて、入院になってしまうと困ると考えたからです。
私の印象では、抗生剤の点滴をすると翌日には7~8割以上の子が解熱するように思います。その日は点滴治療し、翌日解熱している可能性は高いと思っていましたが、逆に40℃近い熱が出ています。お子さんには悪いと思ったのですが、また検査してみると検査の値は逆に悪化しています。よく診てみると中耳炎も合併しています。前日選択した抗生剤が効いていないので、熱が下がらないのだろうと考え、抗生剤を変更させて頂きました。「今度こそ」と思っていました。
当院では3日連続通って頂くことは珍しいのですが、翌日に答えが出ました。目が赤く、唇も赤くなっていました。前日は特に赤くなってはいなかったにもかかわらずです。診断は「川崎病」でした。川崎病も血液検査は細菌感染のような値をとります。しかし、通常の抗生剤治療は効果がないとされます。
その日になってようやく、川崎病であることが分かりました。病初期は感染症と区別が、まずつかないことが思います。入院して特殊な治療を行いますので、病院に紹介したのは言うまでもありません。
抗生剤の点滴をした翌日の検査で、感染症なら白血球も炎症反応も下がるのに、全く下がっていなかったので、おかしいとは思っていました。それだけで川崎病の診断にはつながりませんが、そういう「あれっ、変だな」という感覚は日常診療では有効だなと再認識しました。
患者さんにはせっかく痛い思いをして検査をしてもらったので、検査結果をフルに活用しなければならないと思っています。


