日頃、診療をしていると面白いというか「ナルホド!」と思わされることが多々あります。
先日、発熱と発疹のお子さんが受診されました。お子さんの通う幼稚園では水ぼうそうとインフルエンザが流行っているそうです。休日に発熱と発疹が出たため、休日診療所を受診し、水ぼうそうと診断されていました。
ゾビラックスという特効薬まで出されておりましたが、39℃の熱がありお母さんが心配だと連れてこられました。水ぼうそうでも熱が出ることがありますが、確かに38℃台が多いように思います。もしやと思い、インフルエンザも調べてみることにしました。
何と、結果は陽性。つまり水痘にインフルエンザが合併していたのです。39℃の高熱はインフルエンザの影響が強いのではないかと考えています。
通常、2つの症状がみられたら、ひとつの病気で説明しようとします。今回なら、水ぼうそうの発疹は軽度だけれど、たまたま高熱が出ているのだろうと考えると思います。インフルエンザが幼稚園でみられていたこともありますが、水ぼうそうだと発疹の軽い子は高熱は出ないことが多いし、ぐったり感もありました。
インフルエンザの結果を見て、納得がいきました。見逃さずに発見できて、良かったと思いました。新型インフルエンザの場合、発症後、速やかにタミフルを使えば、早期に解熱することがほとんどだからです。今回は母の心配もありましたが、「あれ、何か変だな」と気づくことも重要なのだと思っています。
別のケースで、もともとぜんそくをお持ちのお子さんが発熱して当院を受診されました。インフルエンザが陽性でした。タミフルを処方して、自宅待機になりました。
このお子さんには、気になることがありました。ぜんそくはキチンと治療しているので、以前繰り返していたゼーゼー、ヒューヒューはみられなくなっていましたが、最近になって咳が聞かれるというのです。
その咳は特徴があって、痰がらみではなく、ぜんそくが悪化するはずの夜間から朝には出ずに、食事や物事に集中した時も出ないという形を取っていました。専門医なら何らかの心因反応がそうさせているのではないかと疑うところです。
これまでも心因性咳嗽は何人も診てきており、このお子さんも可能性が高いと考えていましたが、肝心のストレスの原因がつかめませんでした。子どもなりにストレスを抱えているんだろうと考え、早く何とかしてあげたいと思っていました。
このお子さんが新型インフルエンザにかかった際に、自宅待機を指示したのですが、これは親御さんが気づかれたのですが、自宅に1週間いる最中は咳は全く聞かれなかったというのです。親御さんには心因性咳嗽の可能性を伝えてあったので、気づきやすかったのかもしれません。
今年の新型インフルエンザの取り扱いのルールは、かかったら園や学校を1週間程度は休むことになっています。何気ない日頃言っている指導の中で、「学校に何らかのストレスがあるのではないか?」という疑いがより強まる結果になったのだと思います。今後も原因追及を図っていきたいと思っています。
日常診療の中に、病気を発見するヒントが隠されているんだなと再認識させられました。
上越では、相変わらずRSウィルスが流行しています。先日も生後1ヶ月の赤ちゃんを2人RSウィルスと診断しました。一人は比較的軽く様子を見ていますが、もう一人は症状が強めに出たため、病院に入院加療をお願いしました。RSウィルスで強めに症状の出たお子さんは「風邪がこじれているんだろう」と言ってはいけないと思うし、的確に診断し、適切に対応することが求められていると思います。赤ちゃんは「ママ、苦しいよ~」とは言えないからです。
親御さんも、生後1ヶ月という時期に“風邪”を引くのはおかしいと薄々気づいていらっしゃいました。RSウィルスの場合は母親からもらった免疫は有効ではないので、生後間もなくから発症することが多いのです。そう説明すると親御さんも「なるほどね」と納得して下さいます。
「あれ、何か変だな」と考えることから始めれば、病気をつきとめるヒントが隠されているんだろうと思っています。


