小児科 すこやかアレルギークリニック

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真剣勝負
2010年01月08日 更新

新型インフルエンザの流行でかき消されている感はありますが、12月は上越市内でRSウィルスが大流行していました。

年末にRSウィルスが原因による強い咳き込み、発熱などの症状がみられており、年末年始の休みに入るに当たり、数人の患者さんのことを心配していました。中には生後1ヶ月で痰がらみの咳で当院を受診され、RSウィルスが検出された乳児もいました。とにかくこれ以上悪化しないことを祈っていました。

年明けにこれらの患者さんが受診して下さいましたが、何とか乗り切れたようでホッとしています。1月4日、5日と新規のRSウィルスと思われる患者さんがいなかったので、流行は落ち着いてきているのかとも思っていました。

6日に熱が3~4日続く兄弟が受診され、インフルエンザは陰性。RSかもと思い調べてみたら、案の定RSウィルスでした。そして7日にも数人の乳幼児からRSウィルスが検出されました。例年、RSウィルスは春先まで流行がみられるため、流行は落ち着いてきているのかも?という期待は正しくないようです。今後も注意が必要です。

当院は食物アレルギーの患者さんが多いのですが、卵アレルギーのお子さんにアレルギー検査を再検してみました。卵製品を制限していた割りに、数値は上がっていました。時々こういうことはみられます。

たいていの小児科医が、「引き続き除去しましょう」と説明するところでしょうが、患者さんは成長しており、消化能力も向上しているはずです。卵製品がどこまで食べられるか、プロとしてキチンと評価してあげなければならないと思いました。そこで「食物負荷試験」の話をしました。

説明し終わると、お母さんが「家で食べさせるように言われると思った」とおっしゃっていました。「オレ、そんなに冷たいこと言わないから」と答えました。いつも言っている通り、食べられるかどうか分からないで困っている患者さんに「家で食べさせてみて」というのは責任転嫁と言われても仕方ありません。

医療は、患者さんとの「真剣勝負」なのだと思います。つまり、親御さんの真剣な“病気に関する不安”に対して、真剣に答えを出してあげなければならないと考えています。そう考えると「家で食べさせてみて」と言うのは、答えになっていないことが分かると思います。

話は逸れますが、子どもが熱を出し、のどに膿がついていればアデノウィルスを考えなければなりません。熱が続いて、アデノウィルスが疑わしい所見があれば、外来で簡単に調べられますから、調べています。ただ、あいにくアデノウィルスは特効薬がありません。抗生剤や点滴が基本的には効きませんから、経過を見るしかありません。

アデノウィルスは発熱が持続する感染症で、平均5日熱が続くと言われています。治療に結びつかないから、アデノウィルスを調べても意味がないことでしょうか?。「アデノウィルスが出ました。熱が5日ほど続く可能性が高いです。水分をこまめに摂らせて下さい。」と説明すると、たいていの親御さんが「原因が分かって良かったです。気をつけて様子をみます。」と答えてくださいます。原因が分からずに不安が募る一方だったのが、見通しが立ち安心できるのでしょう。

RSウィルスも同じことが言えます。RSウィルスも特効薬がありません。対症療法で乗り切るしかありませんが、調べても意味のないことでしょうか?。そうではないですよね。

乳幼児がひどい咳で眠れなくなったり、ぜんそくの子が治療しているにもかかわらず症状が悪化した場合はRSウィルスの関与を考えなければなりません。なぜ具合が悪いのか、親御さんは知りたいはずです。ここも「真剣勝負」だと思うのです。原因を追及する姿勢が求められると思います。

RSウィルスは医師側の問題で調べられないケースも多々ありますが、「真剣勝負」の場合に、医院が損するかどうかを気にするのはどうかと思います。個人的には、上越でもRSウィルスも含め、「真剣勝負」している小児科がキチンと評価される時代が来て欲しいと願っています。