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集団接種に行ってきました
2010年01月18日 更新

開業医にとって日曜日は、日々の診療の疲れを取るなくてはならない休息日です。

しかし、17日の日曜日は仕事が入っていました。それは、上越市が新潟県では他の地域に先駆けて行った新型インフルエンザのワクチンの集団接種の接種医としての仕事があったのです。

私が行ったのは市の医師会館で、予定としては200人弱の接種希望のお子さんに対し、私を含めた3人の医師が接種することになっていました。市内の小児科医だけでは到底人手不足なため、内科の先生方にご協力頂いています。

新型インフルエンザは人類にとって未知のウィルスとされ、当初はマスコミが連日のように、何県の何歳の患者が死亡したと報道していました。結果として、それが一層不安をあおっていたと思います。新型ワクチン不足も相まって、ワクチン希望者が殺到するという現象が起きていました。

確かに、ワクチンは個人でやった方が有利です。接種すれば、技術料が入ります。大勢集めて、接種しまくれば個人的な収入は上がります。集団接種の話は出たけれど、様々な理由で結局実現しなかった地域もあるようです。しかし、上越市では、比較的早い段階で集団接種を思い立ち、実行に移したのだと思います。

医療は、地域の人々の健康を守るものでなければなりません。医療に携わる大人達が将来を担う子ども達のために、不足気味の新型ワクチンを調達して一気に接種を行うためには、集団接種は有効ではなかったかと思っています。

大勢の子ども達に接種するには、手際の良さが求められますが、体調の悪い子に診察せずに接種にして悪化させても困ります。ひとりひとり聴診をして、のども診て、それから右腕か左腕に接種をしていきました。子どもの接種にはキチンとした診察は外せない行為です。

私ひとりでは今回集まった全員に接種するのは大変でしたが、他の二人の内科の先生もせっせと接種して下さり、スムーズに午前の部の集団接種が完了しました。ちなみに、私は30分居残り、接種後の急変に備えて待機していました。最後に接種したお子さんに異常が起きないことを確認してから帰ってきました。

会場には3人の医師だけでなく、看護師、保健士、会場整理のスタッフなど大勢の人間が出ていました。雪の降りしきる日曜日の朝にです。皆が日曜日は体を休めたかっただろうと思いますが、上越の子どものために頑張って下さいました。接種しながら、私は「これが“医療”なんだな」と感激していました。

インフルエンザワクチンのは、もともとが任意接種なため、集団接種には向いていないという考えもありました。万が一接種後にアナフィラキシーショックを起こしてしまった時に、日曜日は病院がやっていないため、重症者の受け入れが困難などの問題もあったと思います。考えられる対応をした上での実施だったと思います。

今回の新型インフルエンザは、世界的にパンデミックという大流行に至りましたが、弱毒性であったため、重症化する例はさほど多くなかったようです。しかし、強毒性の鳥インフルエンザの場合は、日本でも6万~16万人の死亡が推定されています。今回の新型の比ではありません。

こうなると日本社会は麻痺してしまうと思います。よく言われているように、電気、ガス、水道などのライフラインに携わる人たちが罹患してしまえば、これらのサービスが停滞してしまいます。他の生活にかかわるありとあらゆるサービスもストップしてしまいます。人類にとって起こって欲しくない鳥インフルエンザの流行が、ここ10年間に起きるであろうと推測されています。

もし鳥インフルエンザが流行すれば、国が国策としてひとりでも多くの犠牲者を出さないために早急に対応しなければなりませんし、上越市も市民のために大事な役割を果たさなければなりません。今回の新型インフルエンザの騒動のノウハウを活かすことができるのではないかと思っています。私個人にできることは限られており、今後流行るであろう新たなインフルエンザの対応を行政に期待しています。