ここ最近、新型インフルエンザにかかったお子さんは時々受診していますが、上越では相変わらずしぶとく別のウィルスが流行しています。
RSウィルスです。今週はじめに、疑わしいお子さんを5人調べたら5人が出ました。1日のうちにです。
新型インフルエンザでも言われていましたが、冬休みに入り、園での集団生活が一時中断したため、流行は途切れたかのように見えました。しかし、新型は今のところさほど増えていませんが、RSウィルスはまた一気に広がりそうな気配を示しています。
先日、地元の新聞だけでなく、新潟日報(県内に広く購読者のいる新聞)でRSウィルスのことが取り上げられていました。見出しには「冬季間に流行 RSウィルス」、「3歳未満児 重症化に注意」と書かれていました。
内容は、10日に地元の新聞に載ったものと似たような内容でした。記事の中で、県福祉保健部の情報では昨年12月に入ってから増え始め、多くの感染した児が確認されているそうです。新発田の病院でも12月の中旬から既に41人が入院治療を行っていると書いてありました。正味1ヶ月での人数ですから、かなりの数ですよね。予想するに、RSウィルスが入院のきっかけとなった感染症のトップクラスなんだろうと思っています。
そして、ここ上越でも当院だけで30~40人のRSウィルス感染を確認しています。その一部が強いゼーゼー、呼吸困難、発熱、食欲低下で入院を余儀なくされています。少なくとも、当院のある直江津方面で大きな流行が継続していることを示しています。
基礎疾患のない乳幼児でも重症化することがあります。これは新潟日報では触れていませんでしたが、ぜんそくのお子さんがかかると極めて重い発作を起こします。RSウィルス単独でもゼーゼーさせるのに、感染がきっかけでぜんそく発作を誘発しやすいからです。逆に、ぜんそくのお子さんが、急に熱を出して症状が悪化すれば、RSウィルスを考えなければならないのです。
かかりつけのお母さんは、当院のホームページを見て下さっており、お子さんがぜんそくを持っているため、RSウィルスにはかからせたくないとおっしゃっていました。市内の感染症情報を見比べて、「やっぱり流行っているんですね。でも0は有り得ませんよね。」とおっしゃっていました。
RSウィルスは開業医が調べると、持ち出しになります。検査費が請求できないシステムになっています。各医師の方針により0だったり、40人だったり分かれるのだと思います。
RSウィルスに罹患し、呼吸障害が出た子は完治後も風邪を契機にゼーゼーを繰り返すことが多いのです。アレルギー専門医は、かかりつけのお子さんが今後ゼーゼーするか見極めるため、尚更、医院の持ち出しになってもRSウィルスを調べる必要が出るのです。
RSウィルスを調べてばかりいるのは、ある意味、バカ正直というか「いい人」と言えると思います。でも、私はそういう生き方は嫌いではありません。目の前にRSウィルスが強く疑われる患者さんがいれば、病態を解明し、特効薬はないにしても、適切な治療法を選択しなければなりません。
今後も「いい人」であり続けたいと思っています。


