小児科 すこやかアレルギークリニック

クリニックからのお知らせ

病院からのお知らせ

大丈夫じゃない
2010年03月01日 更新

先週の土曜は、当院を初めて受診されたアレルギーでお困りの患者さんが10人くらいいらっしゃいました。

土曜の診療時間は12時半までとなっています。百人も受診した訳ではないので、普通の小児科ですと12時半前後に診療が終わると思います。私が昼ご飯も取れずに診療して、結局診療が終わったのは15時過ぎでした。

新たに受診された患者さんには、診断が正しくなければ、そう診断した根拠を示さなければなりませんし、治療してもなぜ良くならないのか、症状を良くするためにはどうしたよいのかをじっくり説明しているつもりです。つい時間がかかってしまいます。本来、前にかかっていた医師がすべき仕事なはずです。真面目にやればやる程、定時にスタッフも私も帰られず、スタッフに超過勤務を払うことになります。理不尽さは否めません。

新患の患者さんは、いつも通りというか過小診断、過小治療で良くならないという方が多かったでした。中にはアレルギー専門でなくてもほとんどの小児科医がぜんそくと診断できるであろうケースでも、ぜんそくと診断されておらず、過小治療が故にゼーゼー言って呼吸困難に至っている患者さんもおりました。アレルギー科を名乗るのでしたら、正しく診断、治療して頂かなければ患者さんがかわいそうです。

既にぜんそく、アトピー性皮膚炎と診断がついていたにもかかわらず、症状が軽快していないケースもありました。先ほどの話と違い、今度は予防治療もなされていましたが、最近治療が終了になったそうです。親御さんがおっしゃるには、以前よりも発作を起こさなくなり、入院もしなくなったそうですが、数日前からまたゼーゼー言って苦しそうだと当院を受診されました。

ぜんそくの治療の止めて発作が出るということは、治療終了のタイミングが結果的にも早かったということでしょう。小学生になっての悪化は丁寧にいくべきでしょうし、治療のし直しをさせて頂くことにしました。時々運動で軽い発作が誘発されていたようで、その辺も注意しながらぜんそくという慢性疾患をキチンと管理、治療していきたいと考えています。

そのお子さんは、重症のアトピー性皮膚炎も合併していました。アトピーの患者さんの中には通院していない方もいらっしゃると思います。この患者さんはれっきとした専門の科で治療を受けていたようです。

主要なアレルギーには、病気の診断や治療、注意点を記した「ガイドライン」があります。先に述べた呼吸困難で受診したお子さんは、ぜんそくと診断され、繰り返すぜんそく発作を予防する治療がなされるべきでした。専門でなくても、患者さんがどの医療機関でもほぼ同じ方針で治療を受けられるために「ガイドライン」があるはずですが、末端には行き渡っていないのでしょうか?。

アトピー性皮膚炎にも「ガイドライン」が存在します。そのガイドラインには、重症度に関する記載もあり、その患者さんは“最重症”の部類に属していました。

口で言うのは簡単で治療には根気が必要ですが、薬物療法をキチンと行い、最重症→重症→中等症→軽症というように症状を一段ずつ軽くしていき、かゆみ等で日常生活が阻害されないように管理治療していくように書かれています。通院していたのなら、もう少し良くなってもいいのでは?と思ってしまいます。

患者さんは、顔にも目につく湿疹がありました。以前かかっていたところでは、親御さんがそれを気にしていて、「良くなっていないんですけど…」と相談しても「大丈夫、大丈夫。治るから。」と言って取り合ってもらえず、同じ塗り薬を出し続けられていたそうです。いつも診察は2~3分だったそうです。

医師は、もっと自分の治療に責任を持つべきです。患者さんが必死になって通院している訳ですから、それに応える努力をしない方がおかしいと思います。良くならなければ、どうしたら良くなるのか一緒に考えるべきでしょう。私ならプロトピックというステロイドとは異なる副作用の出にくい薬を選択すると思いますし、日本の第一人者の先生方もプロトピックを薦めるのではないかと思います。しかし、そんな話も出なかったそうです。その話を聞いてガッカリしました。

「治療しても良くならない患者さんにどう対応するか」が医師の本質を見極めるポイントだろうと私は思います。「大丈夫じゃない」のに「大丈夫、治る」と言って同じ薬を出し続けるのは、私なら診察費用はもらえないだろうと思っています。

重症アトピー性皮膚炎は、最重症の場合は治療はかなり手強いのも事実です。ただし、これまでの対応を聞いて、正直言って「もうちょっと親身になってもいいのでは?」と思います。

私自身がすべて完璧に治療している訳ではありません。ただ、アレルギーという慢性疾患を専門にしているからこそ、患者さんをより理解しようとし、何とか症状を軽くさせたいという責任感は持っているつもりです。私が対応することで、今より症状を軽くできるお子さんは他にもいるはずだと思っています。早めにご相談頂きたいと思っています。

PS:最近「大人なんだけど、アトピーを診てもらえないか」とよく相談を受けます。大人でもアトピーでお困りの患者さんもいらっしゃると思います。治療方針は子どもと同じですから、それなりに対応できるのではないかと思っています。しかし、私は小児科医です。大人を引き受けることで、子どもを診る時間が減るようでは本末転倒だと思っています。大人の場合は、アトピーに詳しい皮膚科医が対応すべきと思います。申し訳ありませんが、腕の確かな皮膚科の先生を紹介しておりますので、ご理解をお願い致します。