小児科 すこやかアレルギークリニック

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熱が5日続く病気
2010年03月03日 更新

つい先日まで大雪だと言っていたと思ったら、車を走らせると郊外の田んぼの雪がかなり解けてきています。

忙しいと季節を感じる余裕もありませんが、春は確実に近づいてきているのでしょう。当院には、春の訪れとともに患者さんが大勢受診して下さっています。

アレルギーを専門にしている病院はそうだと思いますが、春休みにかけて患者さんが増えます。食物アレルギーのアレルギー診断書を希望する方も増えますし、冬の乾燥する時期にアトピーが悪化したと受診されるケースもあります。インフルエンザなどの感染症が下火になってきてから受診したいという親心もあるのかもしれません。

以前は、アレルギーは当院で、熱などの感染症にかかると近くで済ます患者さんが多かったのですが、最近は結構遠くからも感染症でかかって下さる患者さんも増えました。一般的には逆だと思うのですが、病院にかかっても良くならないと、当院を受診されるケースもあります。

先日、患者さんが熱を主訴に受診されました。近くの病院で風邪薬をもらっていましたが解熱せず、熱が5日続いているそうです。当院で診ている患者さんでは、熱が5日以上続く方はかなり少ないと思います。小児科外来では、いわゆる風邪の患者さんが多いですが、風邪なら熱は2~3日で下がってしまいます。

熱が5日続き、ましてや一度病院で診てもらっているお子さんが受診するとなると、自分に的確に診断できるか緊張感が走ります。頻度の高いものではアデノウィルス感染症がありますが、比較的まれですが川崎病、ヘルペス歯肉口内炎、伝染性単核球症…などと熱が長引きやすい病気が頭を駆け巡ります。

話を伺うと、熱が続き、夜から朝にかけての咳込みがメインの症状でした。ということは、先ほど挙げた病気は可能性はかなり低くなります。呼吸器の病気を考えることになります。

ポイントは、ぜんそくがないのに夜に咳込みが強いこと。親御さんは、これまでなかったような咳も心配していらっしゃいました。かなり痰も絡んでいます。血液検査が悪ければ、肺炎などもあるかもしれませんが、炎症反応は陰性でウィルス感染と思われました。

熱が続く、抗生剤が効かない、痰がらみで夜間に咳き込む、ぜんそくがない、この4つのポイントを満たす病気といえば、私ならRSウィルスを考えます。逆にRSでなければ何だろう?と悩んでしまいます。果たして結果は…。

やっぱり、RSウィルスが原因でした。近頃は減っている印象があったのですが、まだ根強く残っているようです。最初にかかった病院では、その時点では風邪と区別がつきづらく、診断は難しかったのだろうと思います。実は、その他の患者さんでもRSウィルスが検出されており、減っていないようです。

いつも言っている通り、RSウィルスは外来で調べることによる損失を嫌い、検査を避ける小児科も少なくなく、内科の先生ではあまり詳しくない先生も多いのではないかと思います。つまり、見逃されている可能性の高い病気です。「熱の続く風邪」なんて診断されているケースもあるのかもしれません。きっとそういう影響が大きいのだと思いますが、毎年冬に確実に流行する病気にもかかわらず、一般的には知られていないのです。

私は、患者さんには“知る権利”があると思います。私の専門分野ですが、ぜんそくを風邪、気管支炎、アトピー性皮膚炎を乳児湿疹、乾燥肌なんて診断され、過小治療をされているケースが少なくないのですが、「プロ」ならそんなことはなるべくすべきでないと思っています。

特にアトピーと診断しただけで「私も薄々気付いていたんですが、(これまでかかっていた)先生がそう言ってくれなくて。診断してくれてありがとうございます。」と何人のも親御さんから言われています。原因が分かることで、親御さんもホッとするのだと思います。“医師が診断をする”という当たり前のことがなされていないというのも現実なのだと思います。

RSウィルスも同じことが言えると思います。RSウィルスの認知度が上越で低いのは残念なことです。私は「食物負荷試験」の認知度を高めようと、食物アレルギーの患者さんには必ずこういう検査法があると言い続けています。今シーズンはかなり流行が多かったので、親御さんや園関係者の方々にRSウィルスについて知って頂けるよう働きかける努力もしています。

最近は、「かかりつけで調べてくれないから来ました」なんて患者さんもいるくらいです。RSウィルスは検査をすると当院の持ち出しになってしまいますが、「正しい診断をするよう努力している」という当院の姿勢が認知されるといいなと思っています。