小児科 すこやかアレルギークリニック

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最近の感染症
2010年03月19日 更新

毎日のように理不尽な対応をされている患者さんが当院を受診されており、アレルギー専門医の推奨する“正しい”医療を広めるため、患者さんに我慢を押し付けるような医療をなくすために、この場で触れておきたいことが沢山あります。

しかし、上越の感染症の情報が少なくとも私の診療の手応えとは異なることが多いので、感染症情報も時々触れなければなりません。

ご存知のように感染性胃腸炎が流行しています。一時期よりやや減っているような印象を受けますが、当院のようなアレルギーの患者さんが多いような医院でさえ、軽いものを含めると1日数十人のお子さんが胃腸症状を訴えて受診されています。ノロウィルスが原因と思われるケースも多く、一家でつまり親御さんも内科で点滴をしてもらった、というケースも少なくありません。手洗いに留意して頂きたいと思います。

相変わらずRSウィルスが出ています。ひとつ例を挙げたいと思いますが、3ヶ月でひどい痰がらみの咳である小児科を受診し、“風邪”と診断されてました。良くならないと当院を受診されました。

夜も眠れないような咳込みで、そもそも風邪を引きにくいはずの生後3ヶ月で感冒様症状を来しています。RSウィルスは母のへその緒からもらった免疫が効かないため、生後1~2か月でもいとも簡単に感染します。現在、RSウィルスが流行していることを知っていたら、RSウィルスを疑わない方がおかしいと思い、調べてみたら当然のようにRSウィルスが陽性でした。

効果があると言われている薬を処方しましたが、翌日ゼーゼーが出てきて、飲みもイマイチだと再診されました。酸素もやや低下気味で、3か月の赤ちゃんは無理はさせない方がいいだろうと病院に入院をお願いしました。当院ではいまだに何人もRSウィルスのお子さんを確認しています。“風邪”と診断され、様子をみられているケースは他にもいるのだろうと思います。RSウィルスも正しい知識を持って頂きたいと思っています。

マイコプラズマと思われるケースも少し経験しています。「思われる」と書いた理由を説明します。

上越ではマイコプラズマの迅速検査が一部で行われているようですが、その評価や信頼性に注意が必要です。先日もマイコプラズマに関する最新情報を知る講演を聴きましたが、健康な人でも15~30%持っている抗体を測っているため、感染していないのにマイコプラズマと判断されてしまう可能性が高いのです。以前マイコプラズマにかかって、今は違うのに陽性という結果が出ることもあります。

結局、以前も触れましたが採血をして抗体を2回測って、その抗体が有意に上昇しているものをマイコプラズマと診断するやり方が正しいとされています。問診や診察所見から、マイコプラズマを考えて、それに有効な抗生剤を使うと2日ほどで明らかに症状が改善するケースを経験します。元気になったお子さんに、抗体が上がっているか調べることを言い出しづらく、マイコプラズマと「思われる」と判断しています。こういった患者さんは近頃は時々みます。

その一方で、咳が長引くとマイコプラズマと一部で診断されており、当院にかかりぜんそくと診断し、ぜんそくの治療で2~3日で軽快するケースが多々あります。マイコプラズマでないことは明らかです。ちなみにマイコプラズマは点滴が繰り返されているケースも見受けますが、内服でも充分効果的なため、点滴は必要ないケースがほとんどです。つまり、病気を正しく見極めようとする医師の姿勢が大切だと思います。

新型インフルエンザも数人出ています。まだいるところにはいるようです。ただし、新型インフルエンザはタミフルやリレンザといった抗インフルエンザ薬が極めて有効ですし、暖かくなってウィルスの勢いが減っているのか、1日程度で解熱することが多いように思っています。

あと溶連菌、水ぼうそう、おたふく風邪、アデノウィルスによる咽頭炎、りんご病もたまに見かけます。伝染性単核球症のお子さんもいました。リンパ節の腫れで受診され、のちにのどに膿がついて咽頭痛を訴えました。検査の結果、EBウィルスが原因と診断しました。この病気は特効薬はありません。自然に軽快しています。

もうひとつ触れておきたいことは、感染症ではないのですが、ぜんそくのお子さんが調子を崩しています。最近の寒暖の差が引き金になっていると思いますが、治療中にも関わらずゼーゼー、ヒューヒュー言って受診されるケースを時々みます。調子を崩すと、走り回って咳が出る運動誘発ぜんそくがみられることもありますし、園で昼寝の時に咳き込むこともあります。夜から朝の咳き込み、睡眠障害にはご注意ください。

昨年12月から上越ではRSウィルスが絶えることなく流行を続けていますが、ぜんそくのお子さんが、RSウィルスにかかるとほぼ間違いなく発作を起こします。専門的な治療をしていても、入院が必要なくらいの発作を起こすケースもあります。早くRSウィルスには終息して欲しいと願っています。

ぜんそく、マイコプラズマと思われる気管支炎、RSウィルスと咳の長引きやすい状況のお子さんが少なくありません。今は医学が進んでおり、治療すれば症状は軽くなるはずです。咳が長引く場合は、診断が正しくない、治療が適切でないということも考えて対応しないといけません。ご心配な方は相談に乗りたいと思います。