先日、赤ちゃんがBCG接種のために当院を初めて受診されました。
もちろん診察したのですが、赤ちゃんなので毛が薄いため、頭皮が赤くなっているのにすぐに気付きました。手の自由もまだ利かないにもかかわらず、頭を掻いています。
親御さんはBCG接種のために来られたのですが、お節介の虫がうずき「普通、赤ちゃんは頭をこんなに掻かないと思うけど」と聞いてみました。案の定、「皮膚科で薬をもらっています」という返事。「何て診断されているの?」と聞いてみると「…」と返答に困っていらっしゃいました。つまり、診断されずにステロイドだけが出されていたようです。そのお陰で顔はツルツルでした。
ただ皮膚科で治療をしているということでしたので、頭皮も治療してもらわなければ可哀想だと思いました。いつも言っている通り、診断がないのに治療が進むのはおかしいはずです。頭皮が炎症を起こしており、「アトピーが隠れているかもしれない」ということだけは伝えた方がいいと思いました。あとは皮膚科で継続治療をしてもらうつもりでした。BCGはできそうだったので接種し、帰って頂こうと思っていました。
その後、親御さんから更に話が聞きたいとご希望がありました。私もどのような経過なのか気になっていました。話によると生後間もなく湿疹があり、皮膚科でステロイドをもらっていたそうです。塗るのを止めると悪化するので、皮膚科で塗り続けるように指示がありましたが、頭皮や体にも広がっており、不安に感じていたそうでした。
明らかにアトピー性皮膚炎と診断できる状況でした。顔があまりにもツルツルでしたので、私もアトピーを見逃すところでした。患者さんのご希望ですから、それに応えるのが“プロ”だと思います。乳児のアトピーは食物アレルギーの関与も大きいですから、アレルギー検査もさせて頂き悪化要因も考えながら、自分の知識を総動員し、治療を進めさせて頂こうと思っています。
別の患者さんで、小学生のアトピーの子が受診されました。結構重症なお子さんでしたが、近くの小児科で同じ薬が出されていました。本人は全身痒くて傷だらけの状態でした。診断はアトピーとつけられていましたが、細菌感染を合併しており、過小治療が良くならない原因だと判断されました。親御さんも症状が改善しないため、医師を替えようと思っていたそうです。もちろん期待に応えられるよう、考えながら治療していきたいと思っています。
この患者さんに対する“お節介”とは、問診票に書いてあった「兄:ぜんそく(他の小児科で治療中)」といったものでした。私はそこに反応してしまいました。
昨日も書いたように、小学生のぜんそくは症状を安定させて、「気道過敏性」を充分に低下させるのが治療のコツです。親御さんの話では、吸入ステロイドを使ってはじきに中止し、悪化してはまた吸入ステロイドを再開するということを繰り返していたそうです。申し訳ないけれど、もっと本腰を入れて治療しないと大人に持ち越してしまう可能性があると思います。
この年代は運動誘発ぜんそくもみられやすいのですが、走ると咳き込みもあるようです。こういう患者さんこそ、アレルギー専門医が対応したいところです。
患者さんは自分が最善というか適切な治療をなされているのか、なかなか判断できない状況です。慢性疾患はいかに症状を“充分”安定させるかが、治療のコツです。今日取り上げた3名は、症状を安定させる余地がまだまだあると思っています。
当院を頼ってくだされば、あとは全力で患者さんの期待に応えるだけだと考えています。


