小児科 すこやかアレルギークリニック

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無理をさせない
2010年04月23日 更新

食物アレルギーは、耳にタコができるかもしれませんが、「食物負荷試験」で食べられるかどうかの判断をすべきです。

「自宅で少しずつ食べさせてみなさい」という医師も多いですが、患者さんはそれがおかしいことに気付いて頂きたいのです。つまり、素人で食べられるかどうか分からないのに、「家で食べて、具合が悪ければすぐに来なさい」では「だったら、ここ(医院)で食べちゃダメですか?」と言いたくなりませんか?。

しかも「“少しずつ”ってどれくらいの量を指すんですか?」、「“少し”食べて様子をみて、どれくらい時間を空けてまた食べさせるんですか?」などなど疑問は次々出てくると思います。多分キチンと答えられる小児科医は少ないと思います。

市外から卵アレルギーとアトピーで当院に来ている患者さんに地元の小児科医が、「そんなところ(当院)まで行かなくていい。卵は卵黄から食べさせていればいいし、皮膚は保湿剤だけで充分だ。」と言ったそうです。申し訳ないですが、そんな簡単なものではありません。これらの病気に理解が充分でない医師がいるのも確かだと思います。

当院は食物アレルギーの適正な医療を提供したいと思っています。患者さんに何が適正かを理解して頂くために「食物負荷試験」の存在を理解して頂くことから始めることが重要だろうと考えています。地元の上越市では確実に広まっている手応えを感じています。

「いかに安全に食べものを食べてもらうか」が最大の目標です。アレルギー検査が高い子ども全員に「食物負荷試験」をやるつもりはありません。過去の食事歴を聞いてみれば、家でまた食べて頂くこともあります。アレルギー体質の強い子、過去に強めのアレルギー症状を起こしたことのある子は、医院で食べて頂くことにしています。

先日、アレルギー検査で卵の値が高いため、卵を除去していて「食物負荷試験」の話をしていたのですが、親御さんから「家で少し半熟の卵料理を少し食べさせてみて、口の周りにポツポツと蕁麻疹が出たくらいで済みました」と言われました。通常なら「自宅で食べさせてみなさい」という指示を実行したことになるのでしょうが、当院にかかっていて「食物負荷試験」の説明しもしてあり、なぜに半熟なのかと思いました。

この話を聞いた時、「ちょっと無謀だったのではないか」と言わせて頂きました。自宅で様子をみるくらいの症状で済んで良かったといえば良かったのですが、あまりお子さんを危険かもしれない目に遭わせるのは避けるべきでしょう。親御さんも卵の制限を解除したいという気持ちも強かったのだと思います。

お子さんはまだ小さいし、園や学校では半熟の卵料理が出ることはまずありません。充分に加熱したものが給食で出されます。この患者さんの場合、今回のエピソードを踏まえても卵焼き1個で負荷試験をし直す必要がありました。半熟の部分のある卵料理を少量では、十分量の加熱卵が食べられるかどうかの判断はできないからです。

先日、卵焼きの負荷試験をやりましたが、しっかりと火を通しているにもかかわらず負荷の途中で蕁麻疹が出て、結局全部食べたのですが、最後の方に体にも蕁麻疹が広がってしまいました。園では卵料理は除去してもらうのが適切な判断であろうと結論づけました。推測ですが、一歩間違えば、つまり自宅で半熟の卵をもっと多めに与えていれば、強いアレルギー症状が出たものと考えられます。

他の患者さんからも、過去にアナフィラキシーの既往があるのに「自宅で食べさせてみたら、意外に食べられました」と言われたこともありますが、「あまり無謀なことはしないで欲しい」と注意を喚起しています。

患者さんがみな「食物負荷試験」のために受診できるとは思いませんが、なるべくなら危険性の低い方法で食べさせることをお勧めします。県内には、“医師の指示”通りに自宅で食べさせてみてアレルギー症状を起こしてしまったお子さんも少なくないと思います。アレルギー専門医が「食物負荷試験」の存在をもっともっと広げなければならないと思っています。