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意外と手に入らない!?
2010年05月07日 更新

常々、「医学は科学である」と言い続けています。つまり、診断基準を守り、理にかなった治療をすれば、症状は改善するはずなのです。

にもかかわらず、理論的ではない、「おやっ」というような医療がなされていることがあります。

ゼーゼーを繰り返せば、一般の人でもぜんそくが頭に浮かびます。にもかかわらず“風邪”と診断し続けている小児科医もいます。患者さんが「アトピーだろうな」と薄々気付くくらいでも、“乳児湿疹”と繰り返す皮膚科医もいます。理論的にも証明の難しい乳児にもかかわらず“蓄膿症”と診断して、頻繁に通院させる耳鼻科医もいます。診断が違っていれば、治療も間違いますので、症状はなかなか改善しないということになります。

医師はプロ、患者さんは素人。圧倒的な知識の差があるので、言い方は悪いですが、患者さんを言いくるめるのは難しいことではありません。これは患者さんに言いたいのですが、すべてを医師に任せ過ぎはよくないと思うのです。

例えば、ぜんそくを“風邪”と診断し続けられている場合、親御さんに「風邪じゃないから“風邪薬”が効かないんじゃないですか?」と言うと「あー、そうですね」と気付きます。口の周りの湿疹が治らないのを“よだれかぶれ”と診断する医師もいますが、「よだれを垂らしまくっているのに、皮膚のきれいな赤ちゃんも多いですよね?」と言って初めて、理論的でない説明であることに気付いて頂けます。

蓄膿症も膿が溜まると書きますから、副鼻腔という空洞に膿が溜まっていることを証明しなければなりません。乳児はまだ小さいので、その空洞が未発達なので蓄膿症とは診断が難しいはずです。幼児でもレントゲンを撮らずに大した根拠もなく診断されていることもあります。

また人差し指の爪が波打っているのを「指しゃぶりのせいだ」と皮膚科医から言われたとおっしゃる患者さんがいましたが、その子は親指しかしゃぶらないのです。指しゃぶりが原因でないのは明らかです。

先日来られた患者さんは、当院で兄弟がRSウィルスにかかっていることを確認していました。下に双子の弟がおり、「うつるのも時間の問題でしょう」と言っていました。まもなくして、痰がらみの咳が出始めたので、その時は別の小児科を受診してRSを調べてくれるようお願いしたそうです。

予想通り二人ともRSウィルスが検出されましたが、その医院さんの診断は「RSウィルスとマイコプラズマ」だそうです。上のお子さんが熱が出て、痰がらみの咳が出ており、私はRSウィルスとはこういった病気ですと説明していました。全く同じ症状にもかかわらず、なぜかマイコプラズマとも診断されています。熱と咳が出ると一律でマイコプラズマと診断しているようです。私も「おやっ」と思いますが、さすがにお母さんも「おかしい」と感じたそうです。

地域で評判だったり、人気のある医療機関でも「おやっ」という説明がなされていることもあります。お子さんを守るためには、患者さんが賢くならなければいけないと思っています。医師の説明を冷静に考えて、おかしいと思えばとことん質問するべきでしょう。納得がいかず、症状も良くならなければ、別の医師に相談することも考えなければならないと思います。

親御さんはお子さんの病気を心配して受診される訳です。医師も親身になればなるほど、いい加減な説明はできないはずですし、症状が良くなっていないのに同じ薬を出し続けることもなくなるはずです。私も正しいことをやろうと努力しているつもりですが、至らない点もあるかと思います。

“よい医療”って意外と手に入りにくいものではないだろうか?と思っています。