小児科 すこやかアレルギークリニック

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まず、眼科へ
2010年05月15日 更新

当院に来られる患者さんは、乳幼児の湿疹は小児科か皮膚科で診られているケースが多いのですが、年齢が上がるとほとんど皮膚科に通院していた患者さんです。

先日受診された患者さんは中学生で、皮膚科で診られていたのだけれど、なかなか良くならずに治療を中断していました。その結果、全身を掻きむしり、特に顔は傷だらけでジクジクした状態で受診されました。どんな顔をしているのかもよく分からないくらいでした。

比較的最近に受診した皮膚科や小児科で、当院を受診するように言われ、お母さんは受診するつもりで予約を入れていたそうですが、本人が受診する気がなかったため、キャンセルしており、今回ようやく本人の意向もあって受診されたそうです。

ほとんどの小児科医が投げ出してしまうであろう程の状態でした。期待して受診されたのでしょうし、「何とかできる」と思ったので引き受けようと思いました。ただし、条件がありました。

アトピー性皮膚炎は、慢性の病気ですし、結構重症なので、そう簡単には“治る”ものではありません。中途半端な気持ちですぐに通院を止めてしまうようでは意味がありません。もう中学生ですから、本人にその意思があるのか聞いてみました。本人が「やる」と言うことですから、あとはその言葉を信じて、こちらは一生懸命やるだけです。

目の周りもかなりの引っ掻き傷があり、こういう場合にまず“やるべきこと”があります。それは何かと言うと、「眼科を受診してもらうこと」です。

以前、アトピーの対応で間違った指導がなされたことがありました。痒い時はまぶたを掻くのではなく、叩くというものです。ボクシングの選手で、目を殴打されてその衝撃で網膜剥離を起こし、現役続行不能になるケースがあると思います。アトピーでも痒くて叩くことにより、網膜剥離を起こす可能性を指摘されています。長年強く掻きむしることでもそうなるかもしれません。また、白内障も合併することがあると言われています。

こういった合併症が既にあることもあり、重症なアトピーの患者さんで、目の周りに皮疹がある場合は、眼科医に診てもらうのが大切といわれています。ちなみにこれまで心配で眼科医に診てもらったケースもありましたが、異常はありませんでした。

この患者さんは是非診てもらいたいと思ったものですから、眼科の先生に紹介状を書きました。まもなく返事がきて、眼科的にはまぶたの皮疹以外は特に異常がないと言う返事でした。あとは、ほぼ全身に渡るアトピーの皮疹を全力を挙げて改善させるだけです。顔は人に会うのもためらわれるであろう程でしたので、短期間で治療しなければなりません。

この患者さんに見合った適切であろう薬を選択し、1週間後受診して頂きました。初診時のインパクトが強かったため、1週間でどこまで良くなっているのだろうと思っていました。診察室に入ってきた表情は、本人はさほど嬉しそうには見えませんでしたが、お母さんは嬉しそうです。“別人”になっていました。

私としては計算通りだったのですが、しっかり言われた通りに軟膏を塗ってくださり、驚く程改善していたのです。初回で技術を分かって頂けると、真面目に通って頂け、継続的に治療が行えることがほとんどです。本人も治療を続けると言ってくれました。

油断するとじきに悪くなってしまうのが、慢性疾患の難しいところです。嫌になって通院を止めてしまうこともあります。気を引き締めつつ、しっかりと治療を継続し、重症なアトピーがあっても日常生活に影響がさほど出ないようにしていきたいと考えています。