先週の土曜に、23日の食物アレルギーのイベントを紹介する記事が掲載されました。下をクリックすると記事が見られます。
県内ではメジャーな新聞ですから、目にされた方も多いと思います。話すのは私だけではないのですが、私が基調講演といって、食物アレルギーを分かりやすく説明し、その後にシンポジウムがあります。県内で食物アレルギーに携わっている方々が各々の分野での関わりについて話をしてくださるのです。
食物アレルギーにさほど詳しくない方も参加されるでしょうから、私の話がよく分からなければ、それに続く話がピンとこないものになってしまいます。先日も書きましたが、平成14年からアレルギー研修会や依頼された講演をやっています。新潟県の小児科医では、小さな勉強会も含めると、食物アレルギーについて最も多くの機会話していると思っています。最近重視されている医学的根拠(エビデンス)のある話はできるだろうと思います。
ただ、一般の方に「どうして食物アレルギーが問題視されているのか」を理解して頂くのが一番だと思います。「病気だから我慢するのは仕方がない」と言ってしまえばそれまでで、食物アレルギーの子ども達は、他の子達と同じものを一緒に食べたいのです。そうしたくでも、できないのです。特効薬はなく、成長とともに軽快することも期待できるので、それをひたすら待つしかないのです。
それを大抵の小児科医は、解除の目安をアレルギー検査が陰性になるのを指標にしています。アレルギー検査はクラス0~6までの7段階に分けられていて、クラス2以上が陽性とされています。実は当院では「食物負荷試験」を毎日のように行っていて、クラス2以上であっても、食べられそうと判断されれば、積極的に医院で食べるトライをしています。
卵アレルギーが最も頻度が高く、卵製品を食べられずに困っている子ども達は多いのですが、今まとめている当院の「食物負荷試験」のデータでは、卵の値がクラス2以上でも74%の子どもが卵そのものである“卵焼き”を食べることができています。卵アレルギーと判断されると、卵を含まれる食べ物、例えばカステラやクッキーなども除去(完全除去)するように指示している医師もいます。当院では、クラスが5や6と高いお子さんでも卵を少量含む食品なら食べられることを確認しています。ちなみに卵がクラス2以上でも94%のお子さんが卵の加工品を食べても症状が出ないというデータが出ています。
こういうデータは、敢えて言わせて頂きますが、アレルギー検査結果で判断している医師には出せません。私の恩師が「1品でも多くのものを食べさせてあげたい」という熱い思いを持って診療をされている先生でしたので、すっかり“感染”してしまいました(笑)。日本の第一人者の先生にはまだ足下にも及びませんが、卵アレルギーでお困りの患者さんには勇気を与えられるようなデータを自前でお出しできるようになりつつあります。23日は勇気づけられるようなデータもお示しできると思っています。
こういうデータは、本当なら他の医療機関でも出して欲しいと思うのです。小児アレルギー学会が「食物負荷試験」のガイドラインを奨励していますので、新潟県でも普及しないのはおかしいと思っています。私の恩師は間違いなく日本の第一人者であり、そのガイドラインの作成委員ですので、私が新潟県に広める立場にあるのかなと思います。
当日はマスコミの取材もあるようですし、食物アレルギーの正しい考え方を患者さんや一般の方に広める大きなチャンスだと思います。となると、それと同時にアレルギー検査だけで食べられる食べられないの判断をするのは正しくないと患者さんが知るところとなるでしょう。「食物負荷試験」が広まる可能性が出てきますし、専門でない医師がすぐにできるものでもありませんから、当院など食物アレルギーの数少ない専門医への紹介も増えるかもしれません。
少なくとも自分の患者を増やすために、こういうことをやっている訳ではなく、困っている患者さんが専門医に診てもらうことで食べられるものが一気に広がることを何度も経験しています。以前も書きましたが、「新潟県食物アレルギー元年」につなげられるよう、努力を続けたいと思っています。


