小児科 すこやかアレルギークリニック

クリニックからのお知らせ

病院からのお知らせ

「敬遠していた」
2010年05月25日 更新

23日のイベントで全力を出し切ったので、月曜日の朝、「かなり体が疲れているな」というのは実感していました。

月曜日の診察は、非常に混んでいて、症状の落ち着いている子ども達がアトピーやぜんそくの薬をもらい来たりしていたので何か変だなと感じていました。途中で気付いたのですが、週末の運動会の代休だったそうで、だから混んでいたのです。午前中だけで100人くらいの受診があったのですが、疲れた体にむち打って「過労死する~」と言いながらもひたすら診療してました。こんな状態だと、当然待ち時間も長くなります。

先日のことですが、患者さんからこんなことを言われました。「正直、先生のところは敬遠していた」

どういうことかと言いますと、以前当院にかかっていたのですが、待ち時間が長いということのようですが、子どもさんが病気になると他の小児科に行っていたそうです。私は自分を信用してくださる患者さんに、自分の知識をフルに使って正しく診断し、なるべく最短距離で症状を改善させようと努力しているつもりです。どこを受診するかは患者さんの自由ですから、私がどうこう言えるものでもありません。

上越の小児医療は特殊で、熱は小児科、耳や鼻は耳鼻科、湿疹は皮膚科、目やには眼科に行く傾向が強いのです。これって以前からおかしなことだと思っておりました。これは複数の親御さんからの証言ですが、小児科医から「耳鼻科に行け」、「皮膚科に行け」と指示があるのだそうです。

他の地域はもう少し小児科医が「かかりつけ」としてのプライドを持って幅広く診ていたように思います。そりゃ、私も含めた小児科医が耳鼻科や皮膚科の先生並みに何でも診れるという意味ではありません。軽いものは対応し、難しいケースは耳鼻科や皮膚科の先生に紹介すれば、何の問題もないはずです。

当院の場合は、ぜんそくやアトピーで診ているお子さんで中耳炎が疑われれば、耳を診るし、耳あかで見えなければ、ピンセットで耳あかを取るようにしています。熱でかかって、診察が終わった後に、「体に湿疹があるんだけど、それも診てください」なんて言われることもあります。目やにを繰り返せば、鼻涙管閉鎖や逆さまつげも考えられるので、その対処も説明しています。あれもこれも対応していると、一人当たりの診察に時間がかかります。中には面倒くさがって皮膚科に行け、耳鼻科に行けという医師もいるかもしれませんが、そう言えればどんなに楽だろうと思います。しかし、それでは「かかりつけ」の意味がないと思います。

症状が良くならなければ、どうすれば良くなるか考え、同じ薬はまず出さない、というの私のポリシーです。いつも言うように症状が良くなっていないのに、同じ薬を出し続けるのは医師のマナー違反だと思っています。しかし、そうしている医師がいかに多いことか。「3分診療」と言いますが、そういうスタイルでは、3分もかからず、大勢の患者さんを沢山診ることができます。おかしなことに収益も上がってしまうのです。

やはり良心的な医療が一番だし、変な医療をしていると患者さんから見透かされてしまいます。患者サービスの一環として、待ち時間が短いと言うのは大切なことです。しかし、小児科医としてやるべきことをしない“手抜き”の対応で診察が早いのであれば意味がないと思います。

当院の場合、他の医療機関で治療しても良くならないと受診されるケースも少なくありません。ぜんそくやアトピーが見逃されているケースもありますが、熱が続く場合もそうです。正直、「○○医院さんに行っていて良くならないから来ました」という結構あっさりと医院を替える患者さんは多いのです。

親御さんにとっては、自分の大事なお子さんの健康を守る役目の小児科医が「かかりつけ」だと思っています。症状が良くならないと、医院を替えるられるようでは患者さんを裏切っていると思いますし、「かかりつけ」とは言えないと思います。親御さんには「もう少しかかりつけ医を信頼したらどうでしょう?」と言いたいですし、かかりつけ医の先生にはキチンと対応して頂きたいと思っています。

そういう患者さんは、多かれ少なかれ医療不信の気持ちをお持ちだと思います。尚更、キチンと説明し、症状をいち早く改善させる努力をしなければなりません。だから、一層時間がかかってしまうのです。ある意味、悪循環です。そんな状況で、待ち時間が長いからと敬遠されては、悔しいですが私にはどうすることもできないのです。

医療は、コンビニエンスストアではありません。「速かろう、悪かろう」では意味がないのです。自分を信頼してくださる患者さんには、良くする努力を人一倍しているつもりだし、じっくり治療が必要であれば入院施設へ紹介するし、専門分野が異なれば専門医に紹介しています。私の考える良心的な医療は、ある程度は時間がかかるものだし、場合によってはよりベストな医療のできる医師へ躊躇なく紹介するというものです。

冒頭の患者さんは、最近は“敬遠”せずに当院に通ってくださっています。この際、「かかりつけ」って何だろうと考えて頂きたいと思っています。