小児科 すこやかアレルギークリニック

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2010年06月09日 更新

8日の18時半頃から食物アレルギーの特集が地元の放送局(BSN)で放映されました。

テレビに映るのは初めてだったため、相当緊張してましたが、さすがはプロだなと思いました。話の構成がスムーズに流れていきます。食物アレルギーの子を持つ親御さん達には、それなりにインパクトがあったのではないかと思っています。

ただ、あれだけでどれだけ伝わったのかと思っています。

卵アレルギーのお子さんは、昨年は卵白の値がクラス4でした。この春の検査でクラス3まで下がってきており、卵を多く含むお菓子を食べても何ともないため、4歳でもあり、卵料理が食べられるかどうかを確認する必要がありました。

そこで今回、卵焼きを使って「食物負荷試験」を行おうと考えました。もし食べられれば、チャーハンの中の炒り卵、かき玉汁、目玉焼き、スクランブルエッグなど火さえ通してあれば、卵は食べられることを意味します。

クラス3や4で卵焼きを食べさせるのは、非常識だと思う小児科医も多いでしょう。しかし、当院ではクラス5でも立派に卵焼きを食べ終えた子もいるのです。クラス3や4で食べられないと決めつける方が今の時代についていけていないのです。

しかし、残念ながら蕁麻疹と、軽い咳が出てしまいました。症状が出たのに、「いずれ食べられるようになる」と私が言っていたのは、実は彼は既に卵焼きを1個食べていたからです。もし重症なら最初の少量食べた時点で、強い症状を起こしています。1個完食してから誘発された症状でしたし、比較的軽い症状で済んだからです。

できれば、そこまで解説して欲しかったです。ただ、新潟は食物アレルギーの関心が低く、メディアも取り上げてこなかったため、話題にして頂いただけでも嬉しく思っています。当院が新潟の地で「食物負荷試験」を始めて9年になりますが、やっと日の目を見たという思いで一杯です。

食物アレルギーの専門施設は、新潟県ではかなり限られます。本来ならガイドラインに沿った正しいことをやっているのに、当院が肩身の狭い思いをしているのはおかしいのです。患者さんや子どもにかかわる業種の方々が、食物アレルギーに関して正しい知識を持ち、逆に「食物負荷試験」をしない方がおかしいくらいになれば、新潟県の食物アレルギーのレベルは全国的にもかなり高くなっていると思います。

アレルギーの病気を診るには、問診が重要です。その中でも遺伝の影響は避けられないため、ご両親のアレルギーの有無も聞かなければなりません。ぜんそくなら、どんな咳がどれくらい続いているか、ゼーゼー言ったことがあるか、アトピー性皮膚炎なら、いつから湿疹が出て、どれくらい持続しているか、悪化要因は何かなどを念頭において問診しなければなりません。

要点を押さえて話を聞けば、どの時点でぜんそくなりアトピーを発症したか分かります。食物アレルギーもどの食品がダメそうで、どの食品が治っているかもおおよそ判断できます。特に食物アレルギーは診察室で症状を出している訳ではないので、問診であらかた分かるまで、ひとつの食品ずつ入念に話を聞かなければ、「食物負荷試験」に進んでいけないのです。

これはカットされずに嬉しかったのですが、インタビューの中で「アレルギーは3分診療ではいけない」と言っていますが、まさにこのことを表しています。大して話も聞かずにアレルギー検査をしておしまい、それで済むならどんなに楽か。まず、診療のスタイルからして、風邪とは切り離されるべきです。逆に、3分診療やアレルギー検査の値だけで話をする医師は専門ではないと言い切れると言えます。これはよく理解頂きたいと思っています。

また、「食物負荷試験」は信念も知識も技術も求められます。どれが欠けてもできません。変な言い方になりますが、患者さんが卵が食べられなくても、私は何も困りません。この前、「自分の診ているぜんそくの子がゼーゼーいうのは耐えられない」と書きましたが、これは小児科医としてのプライドです。食物アレルギーでも、厳しめに除去しておけば何も起きないのです。事なかれ主義で対応すれば、皆こんな対応になるでしょう。大きくなっても、精神的に食べられなくなっている子ども達を見るにつけ、「もっと早く対応して欲しかった」とやるせない気持ちになるのが、もう嫌なのです。その時点でベストの対応してあげないと、折角のチャンスを逃してしまうのです。

これも「知識と技術のある医師が、きちんと食物負荷試験をして正しい判断をしてくれる」と言っているのもカットされずに良かったと思います。ただし、テレビの中で私がどれだけ真剣に「食物負荷試験」に取り組んでいるかが汲み取って頂けると思いますが、専門でない先生からの紹介のがないのが悩みの種です。つまり、「食物負荷試験」の重要性が同業者から充分理解されていないと言えると思うのです。専門医に紹介しなければならないポイントも提示していたのですが、それも出して欲しかったです。そうすれば、患者さんの方から「これは専門医に紹介してもらわなければならない」と理解できるからです。

贅沢は言っていられませんが、18時半の放映でしたので、夕食時に今回の放送をご覧になっていた方々も多いと思うのです。「食物負荷試験」は入院の上でないとできないという小児科医もいますが、そんなことはありません。当院で約500件の負荷試験を安全に行えています。アレルギーに関しては、確かな知識と技術があればほとんどの場合、外来治療が可能です。そして開業医でも分野によっては県内トップレベルのことができるということを、今後も真面目に診療していき、証明したいと思っています。

新潟市とは離れた上越市で、子どものアレルギーに真剣に、そして本格的に取り組んでいる小児科の医院があると認知して頂けると幸いです。

PS:放映を見逃してしまった方にネットのYou Tubeなどで放映の様子を見られるようにしようかとも考えましたが、著作権の問題もあり、本当は出演者すべてに了解を取らないといけないと聞いています。「テレビに出ました」とこれみよがしに自慢するつもりはありませんし、それが私の目的でもありませんので、ご理解ください。