26日に土曜は朝早く起きて、車で浜松に向かいます。
同志、まさに同じ志を持つ川田先生のクリニックで院内勉強会の講師を務めるのですが、発表スライドが前日の22時の時点で、まだできあがっていないのです。
川田先生は私よりもずっと勉強家ですから、日頃やっておられる院内勉強会で、私よりも詳しく丁寧にお話ししているはずです。「じゃあ、私は何を話せばいいのか?」と真剣に悩んでいます。
浜松市は、新潟市並みの大きな街ですが、「食物負荷試験」をやっている医療機関がそう多くあるとは思いませんので、もしかしたら「食物負荷試験」をご存知ない方が参加されるかもしれません。負荷試験とはどういう目的で、どのように行うかという話は欠かせないでしょう。
川田先生も食物アレルギーの日本の第一人者の先生の下で修行されています。もちろん、「食物負荷試験」も多くやっておられます。結局、同じような話になってしまいます。ただ、私も開院してから500件くらい負荷試験をやっていますので、アレルギー検査が陽性でも卵や牛乳の負荷試験をして、何%が食べられたというような自分のデータを少しは持っています。そういうデータを交えながら話をしようかと思っています。
アトピー性皮膚炎は、新潟県ではガイドラインが普及しておらず、ガイドライン通りに診断して治療している先生はかなり少ないと思っています。ガイドラインでは、このように診断し、このように治療しましょうと明記してあります。また学会でも医学的根拠のある治療をしようと繰り返されています。川田先生も学会にはよく参加されていますので、アトピーの治療には精通しています。私とほぼ同じ方針で対応されていると思います。やはり、院内勉強会で既に似たような話をされているはずなのです。
1990年代前半にアトピーにステロイドを使ってはいけないという、現在の方針から外れたような考えが広まりました。それ以来、ステロイドを拒絶する患者さんが増えたとされています。当時は社会現象にもなり、本来沈静化すべき立場にあった皮膚科の先生は何もできなかったと振り返っています。それがアトピー性皮膚炎のガイドラインの出現で、徐々に静まっていったと聞いています。その辺の歴史を話せばいいのかなと思っています。
ぜんそくも、まずキチンと診断し、重症度を評価し、その重症度に見合った治療法を選択するのが小児ぜんそくのガイドラインに記載されています。新潟では重症の患者さんが過小治療だったり、軽症の患者さんが見逃されているケースも見かけますが、川田先生はプロですので、私と同じような方針で治療されていると思います。私が今更話すことはないのではないかと思うくらいです。
ぜんそくのお子さんは、ホコリを吸うとゼーゼーします。運動で咳が誘発されることもあります。これは“気道過敏性”という気管が過敏な性質がそうさせているのです。気道過敏性があれば、ちょっとした刺激でゼーゼーいいやすいし、逆に治療により気道過敏性が弱まれば発作は起こしにくくなります。気道過敏性にスポットを当てた話をすれば、いいのかなと考えています。
勉強会のタイトルは「間違いだらけの小児アレルギー医療」です。気を引くようにと、ちょっと過激な題名にしました。私が地元で経験した医師が誤解しやすいような部分もピックアップして、各病気別にまとめようと思っています。タイトルを今更変えられないので、そういう話の構成でいこうかなと思っています。
でも、いつも言っている通り、アレルギーを「3分診療」で診ようとしても不可能です。食物アレルギーやアトピー、ぜんそくを「3分診療」で対応しようとすること自体がおかしいのです。結局、最後に当てになるのは医師の良心やプライドなのだろうと思っています。最終的にその辺がうまく伝えられたら、私の使命は果たせるのだろうと思っています。もう少し、話の組み立てで悩もうと思っています。


