小児科 すこやかアレルギークリニック

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“違い”を認識
2010年07月17日 更新

一般的に小児科医は、感染症が流行るとものすごく忙しいし、感染症が多くないとヒマになります。

多分、1日に診る患者さんの数の変動がとても大きいのだと思います。他の医院さんのことはよく分かりませんが、2~3倍変わるのでしょうか?。当院の場合は、アレルギーで定期通院の患者さんが多く、1年を通してさほど変動がないように思います。それなりに忙しくさせて頂いているのだと思っています。

来月早々に、上越の養護の先生を対象にしたアレルギー疾患についての講演をしなければなりません。ここ最近、時々触れていますが、学校の先生が知りたいことは「エピペン」の使い方と「学校生活管理指導表」のことだと思います。

「学校生活管理指導表」とは、児童、生徒の間でぜんそくやアトピー性皮膚炎、食物アレルギーなどのアレルギー疾患がかなりの頻度でみられるために、例えばペットアレルギーがある場合、学校行事でペットとの接触を避けて欲しい、アトピー性皮膚炎がある場合、汗自体も悪化要因であるために、とても汗をかいた時に汗の始末をして欲しいなど、医師や親御さんの立場から学校側に配慮をお願いするためのツールとも言えます。もちろん、食物アレルギーがあれば、給食でその食品を除去してもらう必要があります。学校の先生も、これらのアレルギーに対する基本的な知識を持つ必要があるのです。

ですから、「エピペン」と「学校生活管理指導表」の話は欠かせません。となると、各疾患について個別に解説しなければなりません。ぜんそくとアトピーに関しては、私のよく言うガイドラインが普及してきているため、各医師によって方針が大幅に異なることはなくなってきています。ただし、何故か地元ではぜんそくを“風邪”、“マイコプラズマ”と診断されているケースが少なくないため、ある程度踏み込んで話す必要があります。

体も大きくなってきてゼーゼーしにくくなってくるため、誤解されやすいのですが、治っていないぜんそくを見逃されているケースも少なくありません。親御さんでも治ったものと思っていることが結構みられます。この時期を見逃しては、大人のぜんそくに移行してしまうため、なるべく見逃さないコツも話しておきたいところです。

アトピーもガイドラインのお陰で、ステロイド軟膏を使うという意味では方向性は合っています。しかし、各医師によって使い方にかなりバラツキがあります。ビックリするような指導をしている医師もいます。また未だにステロイドに対する恐怖心が拭い去れずにおり、その辺もスッキリさせたいところです。ステロイド以外の治療法も触れておきたいところです。

食物アレルギーは、小学生以降になると頻度はガクンと下がります。卵や乳製品というタンパク質を体がこなせるようになってくるのです。ということは小学生以降増えてくる甲殻類や果物アレルギーや食物依存性運動誘発アナフィラキシーについて触れればいいだけかもしれません。しかし、食物アレルギーの診断方法を誤解している医師があまりにも多く、それを信用してしまっている学校の先生がほとんどだと思います。その誤解を解かない限りは、間違った指導をされ続けてしまうのです。そこは是が非でも修正しておきたいところです。

今回の講師としての私の任務は、「アレルギー学」という学問があり、専門的が知識や技術が求められることを理解して頂くことかもしれません。敢えて言いますが、小児科医、内科医ならアレルギーについて誰でも詳しいというのが事実ではありません。それを知って頂くことが、患者さんを救う第一歩と言えると思います。

すべての医師がプライドを持って診療に当たっていると思いますが、まず「分かりません」とは言ってくれません。ですから、学校でアレルギー症状で困っているお子さんは、学校医に相談が行く可能性が高いでしょうが、適切な対処法があるにもかかわらず、「ちょっと様子をみて」なんて言われてしまうかもしれません。これは患者さんにとっては不幸なことです。

今回私に与えられた講演時間の中で、アレルギー専門医と一般医の間の“違い”をどれだけ認識して頂けるかが、大きな課題だと思います。