新潟市の研修会に行ってきました。
休診にしてまで行ってきたのですが、かかりつけの患者さんにはご迷惑をおかけしました。私にとって日々に診療も大事ですが、立ち後れている新潟県の食物アレルギーを何とかするのも課題のひとつなのです。
会場は相撲じゃないですが、“満員御礼”状態でした。学校の養護の先生が多いのでしょうが、「学校の先生はこんなに食物アレルギーの情報を求めているんだ」ということが実感できました。
講演は文部科学省の方、専門医、恩師の3人が行ったのですが、エピペンのことが中心だったように思います。ここ最近よく触れていますが、エピペンは患者本人、家族の他に救急救命士が使用できるのですが、学校でアナフィラキシーショックを起こし、本人も意識がなくなって打てない、家族もすぐに駆けつけられない、救急車もすぐには来ない状況では、救命のために学校の先生しか打てないのです。学校の先生もそれを理解されていて、情報を欲しいからこそ、これだけ多くの方が集まったのだと思います。
ただ、食物アレルギーとなると子どもが多いので、小児科医が対応することが多いと思いますが、エピペンの使用方法には注意点があり、どういう状況で使用するかも医師自身がよく理解していないといけません。しかし、アナフィラキシーは医師でもそんなに遭遇するものではなく、どれだけの医師が適切なタイミングで使用できるのかと思います。専門医の“適切”とは、多分専門でない先生にとって、“早い”タイミングだと思うからです。
そもそも、エピペン使用の講習に参加して登録していないと、処方すらできない決まりになっています。新潟県内には処方できる小児科医がそう多くないと思います。中にはエピペンの適応であっても、処方されていない患者さんもいると思います。食物アレルギーに理解のある医師が増え、処方できる小児科医が増える必要があると思っています。
アレルギーを持つ児童、生徒がとても多いので「学校生活管理指導表」を使う学校が県内でも少しずつ増えてきました。本当は2年前にスタートしたのですが、学校側や医師側の問題でなかなか運用が進まない状況でした。新しいシステムが始まるに当たり、なかなか「よーい、ドン」では進まないことが多いものです。お互い、「これ以上仕事は増やしたくない」という気持ちもあることでしょう。
この「学校生活管理指導表」は内容が難しい部分があります。専門でない医師にとっても難しいと思います。学校の先生も重いはずです。でも、今回の研修会の参加の多さを考えると、学校の先生のやる気が伺えます。となると、今度は医師の番ではないかと思うのです。
私が来月講演を頼まれているのは、今回の研修会の“上越版”のような会だと思っています。私は私の話し方で、理解して頂けるようにしたいと思っています。ただ今回は注文が多くて、エピペンと学校生活管理指導表だけでなく、他のことも話さなくてはなりません。アトピー性皮膚炎に対するステロイド使用の是非、運動誘発ぜんそく、心因性咳嗽(がいそう)、慢性蕁麻疹、コリン性蕁麻疹などもです。上越は「医師に診せればそれでいい」という雰囲気がありますが、難しいケースは専門医でない無理でしょう。
慢性疾患は、頻繁に症状が出るので「様子をみて」なんて言われることも多いでしょうが、適切な対応をとった上で経過をみるべきでしょう。なかなか私などの専門医のところに紹介されることもないので、医師のかかり方というか、こういう時は専門医へ行かなければならないと言う目安も話す必要がありそうです。
私は私で子どものアレルギーについて啓発活動を続けていきます。ただ、アレルギーで困っている子ども達はとても多いので、まずは懸案事項のエピペン、学校生活管理指導表について小児科医が中心になって適切に使われ、広まっていくことを期待しています。


