当院を休みにしてまで参加した、新潟県の教育委員会主催の食物アレルギーに関する研修会が先週行われました。
新潟市内や県内から養護教諭の先生が大勢集まって下さいました。それだけ学校生活管理指導表やエピペンのことを知りたいと思う先生方が多いことの裏付けだと思っています。
実は、上越市からも120キロの距離を参加した養護教諭の先生もいらっしゃいましたが、ほんの数人でした。中には、私の話を聞けるからわざわざ新潟まで行かなかった先生方もいるようです。100名以上が集まると伺っています。となると責任は重大です。
しかし、私にも上越の地でアレルギーの子ども達を支えているという意地があります。他の医療機関で良くならないお子さんで当院を受診されている場合は、多くはそのまま当院に通って下さっていると思います。
今回の講演では、私一人で与えられた約2時間を使ってアレルギーの話をできるのが最大のポイントでしょう。先日の研修会では、3人の講師の先生がエピペンの話をされました。それはそれで頭に焼き付くと思うのですが、講師が一人だと話の重複を避けることもできると思います。となると、他の話も存分にできることと思います。一歩前に進んだ話ができるのではないかと思うのです。
それが以前も触れたと思うのですが、運動誘発ぜんそくや食物依存性運動誘発アナフィラキシー、口腔アレルギー症候群、慢性蕁麻疹、難治な年長児のアトピー性皮膚炎、心因性咳嗽なども話そうと思っています。一部は先の研修会で話が出ましたが、学校現場では見られるけれど、話も聞いたことがないという病気だと思います。
学校生活管理指導表の説明もしなければなりませんが、ぜんそくなどの欄は専門医でなければ正しく書けないと言われています。アトピー性皮膚炎の欄では発汗後の処置として、夏期はシャワー浴の記載がありますが、シャワーの効果についても触れる必要があります。ただシャワーを設置している学校は少なく、設置が推進される必要もあると思っています。食物アレルギーの欄では、私が強調している「食物負荷試験」による診断かどうかと書いてあります。ということは、「食物負荷試験」をよく理解して頂かなければなりません。食物アレルギーの医療は「食物負荷試験」をなくして行えないこと、エピペンは欲しくても多くの医師が処方する権利を持っていないことも触れざるを得ません。
心因性咳嗽の咳は当院のスタッフでも区別ができますが、これまでかかっていた医師でもそれを見抜けていないことがほとんどです。これも大事なことですが、上越ではぜんそくが治ったものと思われていますが、小学校や中学校でマラソンをすると苦しくなるお子さんが時々います。運動誘発ぜんそくといって、これは重症度とも相関しやすいのです。ぜんそくは治っておらず、このままでは大人に持ち越す可能性が高いことも話さないといけません。
いずれにしても、地元のアレルギーで困っているお子さんを最終的に救えるのは、専門的な知識を持っている医師であることは最低限理解して頂かなければならないと思っています。医師であれば誰でも対応できるというのは正しくありません。他の医院からの紹介のがないので、養護の先生経由で紹介されるような道筋を付けてあげないと、患者さんが気の毒です。
先日、高校生のアトピーの患者さんが受診されましたが、いくつかの医療機関を受診しましたが、良くならないため、治療を諦めてしまっていたようです。敢えて言いますが、治療のノウハウを持っていて、「絶対に何とかしてやる」という気持ちを持った医師が対応していれば、治療を諦めた患者さんをもっと減らせるはずです。
児童生徒のアレルギーだけで話すことが沢山あり過ぎますが、しゃべり過ぎて、強調すべき点が薄れてしまうのは避けなければなりません。新潟県には、私のように小児アレルギーの専門病院で学んできた小児科医は極めて少ないのです。学んできた知識を地元に還元しないのはおかしいはずです。
今回の上越の研修会で私の力が認められ、他の地域や各学校から声をかけて頂き、アレルギーの話をできるようになれば、大大成功だと思っています。研修会はもう間もなくなので、準備はしっかりとしておこうと思っています。


