食物アレルギーは乳幼児の間では5~10%の頻度でみられると言われています。
こんなに頻度の高い病気はそうないと思います。だからこそ、キチンとした知識を持たなければならないのです。現実問題として、食物アレルギーはまだよく分かっていない部分もあるのですが、医師自身が食わず嫌いになっていると思えてなりません。
いつも言っている通り、ほとんどの小児科医がアレルギー検査だけで食べられる、食べられないの判断をしてしまいます。検査をして数字が高ければ、「アナフィラキシーを起こすかもしれないから、食べてはいけない」と説明しています。それが“過剰”な指導なので、何も起きないため、医師にとってもそうした方が楽なのだと思います。
患者さんにも「検査が高い=食べられない」と受け入れられてしまい、それが巷では正しいことになってしまっています。私はそれが違うと言い続けているのですが、いまだにそう指導し続けている医師が減らないので、過剰な除去を続けている患者さんは数多くいると思います。
上越で開業して、はや3年になろうとしています。私が3年間「違う」、「違う」と言い続けてきたからこそ、上越の学校の先生の目に留まり、来週の研修会の講師を依頼されたのだと思っています。しかし、まだまだだと思っています。
春休みは、新学期でもあり、アレルギー診断書を書くために、「食物負荷試験」を毎日何件も行っていました。3月、4月と結構ハードでした。ここ最近も、その時程のペースではありませんが、日にちを決めていますが1日2~3件はやっています。
圧倒的に卵が多く、牛乳、小麦と続きますが、甲殻類、ナッツ類、果物もやることがあります。「食物負荷試験」は入院でしかできないと思っている人もいるかもしれませんが、知識と技術、あとは「患者さんに少しでも食べさせてあげたい」という気持ちがあれば外来でも可能です。申し訳ないですが、これが“医療”の基本だと思います。確かに負荷試験でアナフィラキシーを起こそうものなら、言い訳はできません。しかし、医師も自分を守らなければなりませんが、その気持ちが強ければ、正しい医療はできないのではないでしょうか?。
卵や牛乳でアレルギー反応を起こしてしまうと、親御さんは怖がってしまい、強いアレルギー反応を起こすと言われているソバやピーナッツ、エビなどを食べさせずにいることも結構とあります。
ソバ、ピーナッツ、エビはアレルギー検査ができます。検査結果が陰性なら、食べられる可能性がかなり高いのですが、それでも「恐い」とおっしゃいます。そんな場合、「医院で食べさせてみる方法もあるよ」と言って、希望されれば負荷試験をやることもあります。
問題なのは、ソバやピーナッツ、エビが陽性の場合です。もちろんアナフィラキシーの既往があれば、安易に負荷試験を行うべきではありません。過去に口にしたことがなく、検査が陽性の場合は、真剣に悩まなければなりません。これらの食品は大人のアレルゲンなので、本当にアレルギーがあれば、ずっと除去を続けなければならないものかもしれません。私が怖がっていては、もしかしたら一生食べないことになるかもしれません。それは気の毒なことです。
ということで、最近はこういう食品も攻めの負荷試験を行っています。今のところ、クラス2や3くらいなら意外と食べられるという印象を持っています。なおさら「アレルギー検査なんて当てにならないじゃん」って思ってしまうし、負荷試験で食べられるかどうかを確認する必要があるのです。
今のところですが、「ダメかと思ったけど、意外と食べられましたね」とお母さんから笑顔で言われることが多いです。もし恐くて食べさせられない食品があれば、一度相談に来てみて下さい。夏休みを活かして、可能なら負荷試験までつなげていきたいと思っています。


