小児科 すこやかアレルギークリニック

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2010年08月02日 更新

ここ最近、連日書いているアレルギーの研修会まで残りわずかになりました。

対象が小学校、中学校、高校までの児童生徒となります。私のこれまでの話は、もっとも啓発に力を入れている食物アレルギーが中心で、しかも乳幼児を対象にしていました。今回は、対象が異なるので話の組み立てを変える必要があります。ただ、食物アレルギーの対応が新潟県は最も立ち遅れているため食物アレルギーに力を入れていたのであって、他の病気は手を抜いていた訳ではありません。

アレルギー専門医といっても、小児科の場合は特に幅広い知識が求められます。内科のアレルギー科と言えば、ほとんどが呼吸器内科で成人ぜんそくを診ていると思います。食物アレルギーやアトピーはあまり診ていないと思います。耳鼻科もアレルギー科を名乗っていても、アレルギー性鼻炎、花粉症を診ていて、やはり食物アレルギーやアトピーを診ることはまずないでしょう。

その点、小児科のアレルギー専門医は、乳児から一般的には中学、高校生のアレルギー全般を診ます。高校生と言ったら、もう大人です。つまり、大人のアレルギーにも対応できるように勉強していなければならないのです。子どもにみられるアレルギーをキチンと診ることを期待されているのだと思います。

ですから、今週の研修会で私が話すことと言ったら、幼児から大人にかけてのぜんそく、アトピー、食物アレルギー、多くは触れられませんが、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、蕁麻疹(慢性蕁麻疹、コリン性蕁麻疹、クインケ浮腫)であり、最近はストレスを咳という形で表す患者さんもいます。これはアレルギーではないのですが、派生して心因性咳嗽まで話さなければなりません。

実は、これらの病気は年齢によって治療が変わることが多いのです。小児と大人では使う薬が違うのは、考えてみれば分かりますよね?。2時間程話す時間を与えられても、相当に忙しいことが理解して頂けると思います。

ぜんそくは、低年齢はまず内服治療ですが、重症や年長になってくると吸入ステロイドが主流になり、先日も触れた呼吸機能検査が低ければ、1回吸うと12時間気管支拡張効果のある薬も含んだアドエアといった薬を使用することになります。先日も、親御さんがゼーゼーいって消化器内科の先生のところでアドエアが出されたそうですが、大人のぜんそくなら、アドエアをポンと処方すればそれで済んでしまうので、小児科がいかにきめ細かに対応しなければならないかが理解頂けると思います。

小児ぜんそくは、以前は8割治るなどと言われていましたが、最近は5割程度とされ、逆にきめ細かに、治療を継続していく必要があるのです。

アトピーも乳児期のものは、ほとんどが“乳児湿疹”と診断されています。成長とともに軽快することが多いのも事実なので、あまりキチンと対応している小児科、皮膚科は多くない印象です。しかし、中には一向に良くならず軽快、悪化を繰り返し難治化していきます。ぜんそくも発作を繰り返し、難治化していきますので、アトピーにも同じようなことが言えるようです。つまり、我々がキチンと対応していれば、難治化するケースを減らすことができるのではないかと思うのです。

難治化してしまうと、お子さんやご家族が治療する気力がなくなり、定期通院をしなくなります。「どこの皮膚科(小児科)に行っても同じだ」と思ってしまうようです。中には良心的な医師もいると思うのです。皮膚が苔癬化といって、象さんの皮膚にようになっています。皮膚が変質してしまっているので、強い薬で抑え込む必要があります。顔などはプロトピックというステロイドでない軟膏で、副作用を出さずに皮膚の状態を良くするような、もっと普及すべき薬もあるのです。

食物アレルギーの場合は、「症状の出る食品は除去する」が原則なので、それは子どもと大人では同じです。ただ、幼児にみられる卵、牛乳、小麦などのアレルギーは治っていく傾向が強く、一方学童以降に多くなる甲殻類、魚類、ナッツ類などは治りにくいアレルゲンです。小学生、中学生でも卵や牛乳が摂れない子もいるでしょうが、中には“食べられるのに食べていない”お子さんもいるはずです。それを「食物負荷試験」によって明らかにしなければなりません。また学校給食でアナフィラキシーを起こすこともあり、緊急時の対処法も知っておかなければなりません。

用意したスライドが100枚近くになりました。まだ少し増えそうです。これだけアレルギーの子ども達が増えると、どこの医院や病院もアレルギーの患者さんを診ていると思います。しかし、アレルギー専門医は極めて少ないので専門医に紹介するポイントのスライドも先程付け加えました。

1箇所の医療機関に通っても症状が改善されていないのなら、嫌な言い方になりますが、医師を替える必要があると思います。ほとんどの医師が「アレルギーくらい、自分だって診れる」とお思いでしょうが、アレルギーという学問はそんなに甘いものではないのです。専門施設でトレーニングを受けてた私もまだ分からないことが多いのです。

食物依存性運動誘発アナフィラキシーで意識をなくしたお子さんでさえも、当院には紹介されていませんでした。本当は専門でない先生がどこまで対応し、どうなったら専門医に紹介しなければならないのか知っておく必要があるのですが、そうされない場合も少なくないため、養護教諭の先生に知っておいて頂きたいと思っています。

とにかく話したい、知っておいて頂きたいことが沢山あり、話の内容についてもう少し悩み続ける必要がありそうです。