小児科 すこやかアレルギークリニック

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2010年08月05日 更新

研修会が終わりました。

多くの学校の先生方に集まって頂き、ありがたく思っています。この研修会にかなりエネルギーを注いでいたので、ようやく少し解放された気分です(汗)。

アレルギー全般についてお話ししましたが、話すことが沢山あり過ぎて、与えられた2時間を話し切りました。いえ、若干オーバーしてしまいました。あまり2時間も話すことを任されることもないのですが、学校の先生方にアレルギーという学問があり、“プロ”は信念を持って、時間や手間を惜しまずに診療していることを知って頂きたかったのです。

学校にはアレルギーで困っている子ども達が大勢いるはずです。その患者である子ども達にはかかりつけ医がいるはずですが、申し訳ないですがその医師の知識や技術で治療経過は変わってくるのも事実でしょう。上越では、最後の砦として子どものアレルギーについて最終的に相談を受ける立場でありたいと思いました。

多分、全国の学校の先生方がいま一番知りたいことはエピペンについてだと思います。昨日も最大の興味はエピペンの使い方だったと思います。いろいろアレルギーについて話したい気持ちを10分間抑えて、エピペンの使い方の動画も見て頂きました。百聞は一見にしかずだと思います。

ただ、それだけ見ても意味がないと思います。食物アレルギーについてそれなりに正しい知識を持って頂く必要があります。軽い症状なら口の周りの蕁麻疹程度で済むし、より悪化すれば全身蕁麻疹、咳き込み、嘔吐などの症状がみられます。エピペンを持っていない食物アレルギーのお子さんが圧倒的に多く、過去に重い食物アレルギーの症状が見られなければ、エピペンは処方されません。ごく一部の重症なお子さんが持つべきものです。

また、救急車がすぐに駆けつけてくれれば、救急救命士にエピペンの使用を委ねても構いませんし、目の前にアナフィラキシーをお子さんがいて、手元にエピペンがあって、誰も打つ人がいない場合にのみ使用するものだと認識しています。そういう意味では、上越では大勢がエピペンを持っている訳ではないでしょうし、エピペンの打ち方だけを知っていればいいと言うものではないはずです。

ということで、食物アレルギーの全般について話をせざるを得ませんでした。いつも言っている通り、まだまだアレルギー検査結果で食べる食べられないの判断をされている患者さんは多いでしょうが、それが正しくないことを理解して頂かなければなりません。

養護の先生とは言えども、医師のそういった知識や技術の差までは分からないと思います。あとは患者から“逃げない”ことも大事でしょう。最後まで責任を負うということです。例えば、食物アレルギーにおいて責任を負うということは、「食物負荷試験」を行って「どこまで食べていいか、どれ以上食べられないか」を明確にすることに他なりません。

上越で開院して約3年。「食物負荷試験」が食物アレルギーの医療に不可欠だと繰り返してきました。学校の先生方に理解して頂けば、更にそんな検査が存在し、誰もがどこまで食べられるかを知る権利があるという認識が一層広まると信じています。私は自分の医院の地元である上越に、まず広めたいのです。そして中越、新潟県全体へと正しい認識を広げていきたいと思っています。

エピペン使用の動画も見て頂いたりしていたら、1時間を超えてしまいました。個人的には、まだ話し足りないと思っていましたが、主催者側から「せっかくなので、他のアレルギーについても話して欲しい」とリクエストがありましたので、残りの1時間を使って、アトピー性皮膚炎、ぜんそく、鼻炎、蕁麻疹等の話をさせて頂きました。

ぜんそくが治っておらず運動時に咳き込んだりして運動誘発ぜんそくが見逃されているケースが少なくないことも話してきました。運動して苦しくなったら、吸い薬(気管支拡張薬)を吸って対応するよう指導されているお子さんもいるでしょうが、逆であることも話しました。息苦しくなったら楽にすることは対応として間違っていませんが、喘息が治っておらず、治療不足に起因するなら治療を見直す必要があるという意味です。

アトピーが良くならずに治療を諦めているお子さんもいます。往々にして、ステロイドに対する恐怖心が多かれ少なかれあるはずです。その誤解を解かなければなりません。私のよく言うガイドラインには、ステロイドと保湿剤を混ぜて使用しないように推奨しています。未だに混合されているケースも多く、混ぜない根拠などもお話ししました。

きっと、参加者の先生方には初めて聞いた話も少なくないと思っています。これだけ医学的根拠のある医療が推奨されている現在、根拠のない我流の医療では患者さんに迷惑をかけるだけです。やはり“プロ”なら、プロであるゆえんを知って頂く必要があるし、そのチャンスを与えられたと思っていますので、2時間立ちっぱなしでしゃべり続けました。

正直もっと時間が欲しかったのですが、話を聞いた先生方が自分の学校でも話して欲しいと思って下さったのなら、その機会は与えられるものだと思います。今後のお楽しみと言うことでしょう。私は時間が許す限り、院外での啓発活動を行っていくつもりです。まず地元から、より正しい知識を発信していきたいと思っています。