小児科 すこやかアレルギークリニック

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「納得して帰られる」
2010年08月14日 更新

アレルギーは慢性の病気なので、咳なり湿疹が良くならないと、親御さんが“より良い医療”を求めて、医療機関を転々とされることがあります。

あまり医療機関を変えてばかりだと、治療が進まないという見方もあることでしょう。ただし、お子さんの命と言うか、健康がかかっているのです。納得のいく説明をしてくれる小児科医に辿り着こうとする気持ちも分かります。

アレルギーの医療は、医師の実力がモロに出ると思います。ぜんそくを“風邪”や“マイコプラズマ”、アトピー性皮膚炎を“乳児湿疹”、“乾燥肌”と誤って診断されているケースはビックリするくらい多いのです。これは正論だと思いますが、診断できなければ、正しい治療ができるはずがないのです。何度も通っても、症状が改善しない、同じ薬が出し続けられている、説明してもらえず診察室を出されてしまう、こんな感じであれば、私からのアドバイスとしては医療機関を変えるしかないと言わざるを得ません。

私もまだ修行中の身ですが、1週間もあればたいていのケースは症状を改善させる自信はあります。専門医であれば、いくら慢性の病気であっても、適切な治療をすることにより病状を短期間で改善方向に持っていくことは可能です。

先日、咳の長引くお子さんが受診されました。ある小児科で“風邪”と診断されており、お薬手帳を見ても同じ“風邪薬”が処方され続けられているのみでした。今度は内科に行ってぜんそくと診断されたそうです。どちらも納得いかずに、当院に救いの手を求めてこられました。

結論から言うと、今後ぜんそくと診断される可能性は充分あるが、ぜんそくの診断基準を満たしていない状況でした。どっちつかずな説明かもしれませんが、病気には過渡期があり、こらからの経過をみないと何とも言えないケースはかなりあると思っています。

ちょっと話は逸れますが、苦手と思う患者さんのところによく行った方がいいと先輩から言われたことがあります。大きな病院に勤務している時、入院患者さんの親御さんとそりが合わないこともあるでしょう。何度も病室に顔を出して、誠実に接すると信頼を勝ち得て、診療が進めやすくなるという、当たり前と言えば当たり前の話です。当時は「なるほどな」と思い、なるべくそうしてきたつもりです。普通は逃げたくなりますよね?。

外来の場合は、ほんの数分の接触です。相性が合わなければ、話半分で切り上げることも可能かと思います。先の親御さんも必死で、何故咳が止まらないのか知りたかったようです。小児科医に理由を質問すると、こんなことを言われたそうです。「咳を止める薬なんてない」という言葉でした。

それは正しくありません。実際にアスベリンという薬が処方されており、これは「鎮咳薬」です。以前もこの場で触れたリン酸コデインという薬も麻薬系の鎮咳薬です。理論的な説明ではなく、ちょっと逆ギレをしたとしか思えないのです。

咳が止まらなければ、「たかが咳、されど咳」だと思います。何ヶ月も止まらないのを、心配しない親なんていないはずです。敢えて言いますが、長引く咳が軽視されているように思えてなりません。病態を解明できなければ、できる医師に紹介してくればいいのにと思っています。

私はこの患者さんには20分以上話したと思います。帰り際に「こんなに説明してもらい、今日は納得して帰ることができる」という話が聞けて、ホッとしました。きっと、これまでは自分の不安を誰も分かってくれないと感じておられたのではないかと思います。

あとは、全力を尽くしてしっかりと咳を止めるだけだと思っています。