19日から診療を再開しました。
開業医は、人気商売みたいなところがあり、患者さんが来なければ経営は成り立ちません。いつも言っている通り、“経営”に偏った診療をするのは嫌なんです。それでは“ビジネス”になってしまいます。まっとうな医療をして、その結果として患者さんが集まるのが正統派なやり方だと思います。
1週間も休んでしまい、さすがに患者さんから敬遠されてしまうのかもしれないという不安は、正直言ってない訳ではありませんでした。一応、いつも通りだったようです。逆に診療再開を待っていたかのように新患の方が多かったです。有り難いことです。
感染症は、ヘルパンギーナという夏風邪が流行っているようで、結構目立ちました。
典型的なのどの所見が認められれば、抗生剤は処方していません。これはウィルスが原因なので、抗生剤は効かないからです。しかし、「えっ!?。」って顔をされます。「本当に抗生剤は要らないんですか?」と聞かれる場合もあります。抗生剤を出しておいた方が、“余計”な説明がいらないくらいですが、敢えて抗生剤を使う必要がないことを再度お話ししています。
抗生剤は、細菌(ばい菌)が原因の時に使うべき薬であって、ウィルスに効く薬と言ったら、インフルエンザの「タミフル」と水ぼうそうの「ゾビラックス、バルトレッスク」くらいです。ヘルパンギーナで間違いないと診断したのなら、抗生剤を出すのは“筋違い”なことを説明しています。そういった指導が上越の医療レベルアップにつながっていくと信じています。
さて話は変わりますが、本日、新患で受診された患者さんから“変なこと”を言われました。
アトピーではない湿疹で受診されたのですが、かれこれ1ヶ月も改善しないそうです。最初に皮膚科、次に小児科、その次に別の小児科を受診して、それでも良くならないため、ウワサを聞きつけて4件目に当院を受診されたそうです。当院は、いつもこんなパターンの受診が多いのです…。知名度が低い証拠なんですね(涙)。
3件とも「汗も」との診断でした。最初の皮膚科ではステロイドでない軟膏が出されており、小児科で2件ともステロイド軟膏が処方されていました。汗もの治療として、通常はステロイドなんて必要ありません。ただ、重症な場合は使用することもあります。2件目、3件目を受診した時には、その時点で既に1~2週間以上も治っていない訳ですから、「そんな汗もあるだろうか?」と考えるべきだと思うのです。
似たような薬を出しても、また同じ結果になってしまいますし、「患者さんの期待に応えなければ」、「オレが何とかしてやる」って気持ちを持たなければならないのです。それがなかったため、4件目として更なる期待を持って、当院への受診となりました。
ぜんそくなのに“風邪”や“マイコプラズマ”と正しく診断されていないために、良くならない患者さんが少なくないと、いつも言っています。「症状が良くならない」と何度も通っても、同じ“風邪薬”しか出されていないことが多いのが現状です。アトピーもそうなのですが、こんな場合は過小診断、過小治療が問題なのだろうと思います。
地元の医療が成熟するためには、「何故良くならない?」、「どうしたら良くなる?」という考えを常に医師側が持ち続ける必要があると考えています。今回、患者さんにいろいろと私の考え、方針を説明したのですが、「こんなにお医者さんに向かい合って話してもらったのは初めてです」と言われました。
こんな発言が聞かれるようでは、ダメなのです。私も未熟者ではありますが、地元の医療にまだまだ未熟な部分があるのだろうと言わざるを得ません。「たかが汗もに時間はかけられない」と思ったのでしょうが、医師に言われた通りに治療しても良くならなければ、親御さんが不安になるのは当然でしょう。
私は、自分の治療に責任を持つべきだと思っています。小児科を受診すると「3日後に再診して下さい」と言われたりすることも多いでしょう。これは医師の考え方によるのでしょうが、当院では風邪や汗もも含めた、アトピーではない湿疹では、「良くならなければ教えて下さい」と言っています。つまり、「良くなれば再診の必要はない」という意味です。ありふれた風邪や、大したことのない湿疹は良くなって当然ですから、また診せに受診するのは患者さんも私にとってもお互い“無駄”なことだと考えています。治療しても良くならない場合に、「自分の診断が間違っているのでは?」と考え直す必要があると思います。
それが「治療に責任を持つ」ことだと思っていますし、それをできるかどうかが医師の差だと考えています。これからも患者さんの期待に応えられるよう、地元の医療のレベルアップのために地道に努力していきたいと思っています。


