小児科 すこやかアレルギークリニック

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スパイロ活躍中
2010年08月28日 更新

当院では、ここ最近「スパイロ」が活躍しています。

スパイロとは、スパイロメトリーの略で、肺機能検査を指します。時々触れていますが、ぜんそくの子どもを診る上で、欠かせない検査です。小学校に上がるくらいになると、この検査を実施できます。園児くらいでは、ちょっと難しいでしょうか。

大人のぜんそくは治癒が難しいとされています。長年ぜんそく発作を繰り返していると、気管支に不可逆性の変化が生じます。それを専門用語でリモデリングといいます。しかし、子どもであっても、このリモデリングが徐々に進行していることが知られています。

以前から成人ぜんそくの治療は、吸入ステロイドが推奨されていました。今では、小児でもある程度重いお子さんは吸入ステロイドがお薦めの治療になっています。吸入ステロイドが、ぜんそく治療に欠かせない治療薬になっていますが、ただ特効薬といえるかと言えば、そうではないでしょう。

確かに、使えば効果は明らかです。しかし、先程述べた通り、不可逆性の変化があるため、吸入ステロイドを用いても、傷んだ気管支を元通りにはできないのです。中止すると、また発作を起こしやすくなってしまいます。

ぜんそくのない子がスパイロの検査をやると、100点くらいの良い点が取れます。一方、ぜんそく発作を起こしているお子さんでは、発作で気管支が狭くなっているため、いい点が取れません。発作が重ければ重いほど、気管支が狭くなっているため、より悪い点になってしまいます。

では、リモデリングがある程度進んだお子さんがスパイロをやってみると、発作は起こしていなくても良い点が取れないのです。ぜんそくはあるけれど、さほど重くない子はリモデリングがあまり進行していないと思われ、スパイロでは良い点が取れることが多いのです。

小学生や中学生でぜんそくがある子を診る上で大切なことは、リモデリングを進行させないことです。できあがってしまうと、治癒は困難になると思います。また、スパイロが良くても、軽くても発作を繰り返していれば意味はなく、スパイロが良くて、症状もない状況を作ることが大切です。

さほど症状が悪くないと思っていても、スパイロをやるとあまり良い点が取れないことがあります。これは要注意です。水面下でリモデリングが進行している可能性が示唆されるからです。これはある程度、専門的な知識を持っている私が診ていても、スパイロが思ったより良くないこともあり、スパイロを時々行って「異常がないことを確認する」ことが大切です。

慣れれば、専門医でなくても実施できるし、開業医でも楽に買えるくらいの高くない機器なのですが、上越で行っているのは当院くらいで、中越、下越を含めても数えるくらいの施設でしか行われていないのは、とても残念なことです。

時々発作を起こしたり、以前も触れた「運動誘発ぜんそく」がみられやすいお子さんはスパイロで良い点が取れない可能性が高いのです。先日も、当院で治療をしているお子さんで、スパイロをやってみて値が悪かったので、治療不足と判断し、治療のステップアップを行った患者さんがいました。検査をしていなければ、過小治療に気付かず、より悪化させてしまっていたかもしれません。

夏休みはお子さん達も休みで、学校を休む必要がないので、小学生や中学生がここぞとばかりに受診して下さっています。私も見落としがないように、ここぞとばかりにスパイロを行っています。連日、1日も何人も、スパイロの機械が頑張ってくれています。

先日も触れましたが、アトピー性皮膚炎でかかったのに、以前ぜんそくがあったということでスパイロをやったら、ぜんそくが治っていないことが判明したこともあります。心配なお子さんは、是非ともスパイロという検査を受けてみて頂きたいと思っています。