そろそろインフルエンザのワクチンが気になってくる頃だと思います。
昨年は新型インフルエンザ騒動で、患者さんも相当振り回されたと思います。まず最初に言っておきますが、今シーズンはワクチン不足はないと言えますので、慌てないで下さい。
もう一つ。いわゆる新型インフルエンザのワクチンも含まれますので、昨年のように従来のインフルエンザ用に2回、新型インフルエンザ用の2回の計4回打つ必要はありません。
もしかしたら、不足する可能性もあったのですが、今シーズンは回避されました。どういうことかと言いますと、接種する量が大幅に増える可能性があったからです。つまり、従来の1回当たりの接種量は以下の通りでした。
1歳未満:0.1ml ×2回
1~6歳未満:0.2ml ×2回
6~13歳未満:0.3ml ×2回
それがWHOの推奨する量にならい、倍増されることが検討されていました。
3歳未満:0.25ml ×2回
3~13歳未満:0.5ml ×2回
いわゆる成人は0.5mlを1回だけ接種しますから、2回に分けるとは言え、3歳未満で成人と同等量、3歳を過ぎれば成人の2倍量接種するという予定でした。ワクチンは1本当たり1mlが入っていますから、3歳の場合ですと以前は1本で5回分、WHO推奨量だと2回分となります。単純に考えて、例年のおよそ2倍の本数を必要とすることになります。
今年は、例年の2割増のインフルエンザワクチンが製造される予定と聞いていましたので、「それで足りるの?」なんて心配してました。結局、このWHOの推奨の量に増やすと言う方法は、今シーズンは採用されなくなりました。ですから、1歳未満:0.1ml、1~6歳歳未満:0.2ml、6~13歳:0.3mlという接種量で変化がないということになります。
なぜWHOが多い量を推奨するのか?。それは簡単。ワクチンの有効性が増すからです。つまり、「せっかくワクチンを打っても、インフルエンザにかかってしまった」という確率が減るのだと思います。実は、実験的にこの量で接種してみると、有効性が確認されているそうです。
当院は、ぜんそくのお子さんを多く診ています。インフルエンザはぜんそく発作を誘発しやすいことで知られています。日頃から発作を起こさないように管理、治療しているのにインフルエンザにかかってしまい、呼吸困難を起こしてしまっては申し訳ないと思っています。印象としては、アトピー性皮膚炎のお子さんも高熱が続く、その間風呂に入れない、などの理由から皮膚炎の悪化も増えると感じています。当院は、より一層、インフルエンザのワクチンにも力を入れないといけない訳です。
WHOお薦めの量に変わるというウワサが広がった時は、最初は「それは良かった」と思ったのですが、冷静に考えてみると「ワクチンが足りるのか?。昨年みたいにワクチンの奪い合いみたいになってしまうのではないか?」という不安が強まってしまいました。
そういった懸念もあってか、少なくとも今シーズンは増量されないことが決定しています。多分、平成23年秋から始まるであろうインフルエンザの予防接種の際には増えるのではないかと予想しています。それを見越して充分量が製造されることと思いますので、来シーズンに関しては、その時になったら考えようと思っています。いずれにしても、ここ最近はワクチン不足で混乱し、患者さんたちや医療現場も振り回されていますので、それをなくす方法を考えて頂きたいと思っています。
当院でも今シーズンのインフルエンザの予防接種の予約を9月13日から開始したいと思います。電話でお願いしたいのですが、診療に影響しますので電話の時間を限らせて頂こうと思っています。つまり、10時から12時、15時から17時の間にご希望の方はお電話ください。
昨シーズンは、親御さん達も必死だったと思いますが、新型ワクチンで本当に振り回されました。テレビにある医院さんの接種の様子が放映されていましたが、診察もせず、カルテも確認せずに接種していました。こんな方法があるのかと思いました。当院はアレルギーの患者さんが多いこともあり、しかも他院で卵アレルギーという理由で接種を断られたお子さんも接種しています。
ワクチン接種の際に、比較的稀ですがアナフィラキシーという事故も起こり得ます。キチンと診察をして、過去のカルテを開き、これまでの状態を考えて接種するのが、弱い子どもへの接種の基本中の基本だと思っています。地元の医療レベルを上げるためにも、より基本に忠実に接種をしていきたいと思います。
なお、接種開始は10月に入ってからと思っていますが、ワクチンの供給が始まる時期がハッキリしたら、またお知らせしようと思っています。繰り返しになりますが、少なくとも今シーズンはワクチン不足という事態にならないでしょうから、くれぐれも慌てないで頂きたいと思っています。


