今年は暑かったせいもあり、日頃、診療していると肘や膝の裏に湿疹が出ているお子さんをよく見かけます。
話を聞いてみると、明らかに慢性の経過を辿っており、そんな場合は診断基準を満たしていればアトピー性皮膚炎を診断できることがあります。残念ながらほとんどのケースで、見逃されており、アトピーとは診断されていません。
軽症だからかもしれませんが、重いもののみアトピーと診断されているように感じています。軽かろうが、アトピーはアトピー。やはり慢性的に症状がみられており、適確に診断し適切な治療をすることが大切だと思い知らされます。
当院は、地元のアレルギー医療のレベルアップを図る義務があると思っています。小児科では唯一のアレルギー専門医として、果たすべき責任は大きいと感じています。先月、地元の養護の先生にお集まり頂き、小、中、高校生のアレルギーの講演をさせて頂きました。やや専門的でしたが、分かりやすく熱意を持って話をしたつもりです。当院が専門的に医療をしていることは参加して下さった先生方に伝わったのではないかと思います。
軽ければかかりつけ医で診てもらっていいでしょう。ただ、症状が軽くない場合は専門的な知識が必要になります。重くても、同じ薬で様子をみられていることも少なくなく、なかなか紹介もして頂けないので、通院しても改善がなければ、頼って欲しいと言う気持ちはあります。最終的な拠り所として受診して頂ければいいと思います。
先月の講演の時もそうでしたが、私が過去に行ってきた講演の最後によく言っていることがあります。それは「分からないことがあって困ったら、相談のメールを下さい」ということです。ちょっとしたことでも気軽に相談に乗ってもらえるということは、養護の先生も心強いでしょうし、結果として子ども達のサポートにもなります。それを受けて、先日メールがありました。
その文章の中に嬉しいことが書いてありました。ある学校に通う女の子が、結構重いアトピーがあり、それは養護の先生も把握しており、案じていたそうです。夏休みが明けて、養護の先生のところにアトピーの治療に関して報告があったそうなのです。
「アトピーの病院を替えたよ。これまでは薬を出してもらうだけだったけど、今はすこやかアレルギークリニックに行っていて、よく説明してもらい、皮膚も良くなってきた。」と嬉しそうに報告してくれたそうなのです。念のため、断っておきますが、これはヤラセではありません(笑)。養護の先生の紹介でもなく、親御さんの判断で受診されたようです。
よく言っている通り、アレルギーはどの医師もみんな詳しい訳ではありません。同じ症状でも、診断や治療が医師によって様々だったりします。当然、治り具合も異なります。診断を間違えば良くならないし、診断は合っていても過小治療でも良くなりません。複数の医療機関を受診して、医師の腕を含めた対応を比較できることもあります。ですから、症状が良くならなければ、“医者を替える”ことは必要だと考えています。
今回、中学生とはいえ、まだ子どもながら、医師の対応の違いを理解してもらえたようです。当院は、慢性疾患のお子さんが極めて多いので、子どもが通いやすいような雰囲気を作っているつもりです。小さい子のために診察室におもちゃを多く置いていますが、物事の分かる年齢ですと「自分の病気を治してくれる医院」という認識をしてもらうことが重要だと思います。中学生くらいですと、部活や塾、友達関係などで忙しいですから、本心は病院に行くことは面倒だったりするはずだと思うのです。
小学校高学年以降では、通院する意味や効果を分かってもらえるよう、説明や治療をしっかりとやっていきたいと思っています。


