来月中旬から当院でもインフルエンザのワクチン接種を始めたいと思います。予約も9月13日から開始します。強調したいのは、今年はワクチンは足りなくなることはまずありませんから、慌てる必要はないということです。
先日、ネットニュースを見ていたら、歯科医が高収入というのは過去の話だという内容の記事が出ていました。
確かに、以前は高収入の代名詞だったかもしれません。そういえば、私が学生の頃に行っていた歯科医院の駐車場にはそこの先生の車とおぼしき高級車が停まっていました。
しかし、歯科医の数は全国のコンビニの数よりも多いと言われています。これだけライバルが多いと、はやっているところと、そうでないところができてきて、いわゆる勝ち組、負け組が分かれてしまっているようです。昨日の話ではないですが、医師による知識や技術の差も少なくないでしょう。その結果、歯科医の5人に1人が年収200万円以下なんて話も聞いたことがあります。歯科医と違い、医師の数はそこまで多くはないのですが、いずれそんな時代がくるかもしれません。
医師はどうなのか?。実際に開業医になってみて、思ったより楽な商売ではないな、というのが私の印象です。真面目にやればやる程、エネルギーを使うのです。
医療は保険点数が決まっているので、極端な話かもしれませんが、患者さんを多く集めて、あまり説明もせずに1~2分診療で薬を出しまくる、検査や点滴も多くやる、予防接種は自由診療で価格設定は医院に任されているので、高めに設定し大勢に打つ、そうすれば経営が楽になることでしょう。
当院はアレルギーで困っている人を救うために、上越に開院しました。市内のみならず、毎日市外からも患者さんが受診されています。昨日もアレルギー検査で調べた項目のほとんどが高い値で、食事の進め方が分からないという患者さんを診察しました。こんな患者さんに“3分診療”ができるはずもありません。30分以上は説明したと思います。
昨日も書きましたが、ぜんそくやアトピー性皮膚炎を見逃されている患者さんに、診断と治療を理解して頂くためにガイドラインを提示しています。やはり“3分診療”なんてしていては、アレルギー科の看板を下ろさなくてはいけなくなります。前医の何倍もキチンと説明する必要があるのです。
医学は、ちゃんとした根拠のあることをやるべきと言われています。田舎に限りませんが、子どもが熱を出すと点滴をしないと治らないとお思いの親御さんも少なくありませんが、そんなことはありません。点滴に効果を期待している方も多いかもしれませんが、直接的な効果は期待できないと言わざるを得ません。
当院では、のどの所見からヘルパンギーナなどウィルス感染が明らかな場合や、熱が続き炎症反応を調べて検査が陰性なら、抗生剤は使っていません。いえ、使う根拠がないのです。実際は使った方が経営には有利だったりします。敢えて「抗生剤は出しません」というと不安な顔をされる場合もありますが、「必要のない薬(点滴)は使う必要がない」と地元の患者さんに知らしめる必要があると考えていますので、根拠を説明しています。
予防接種の料金も、患者さんが受けやすいようにと低めに設定しています。これから始まるインフルエンザのワクチンも3000~3500円が多いところを2500円にしていました。インフルエンザのワクチンは業者から仕入れているので、どの医院もほぼ同じ納入額だと思います。価格設定は医院が自由にできますが、自分の収入を減らしても、多くの子ども達に受けて欲しいと願い、そう設定しています。地元の患者さんのために、他の医療機関も追従してくれるといいなとも思っていました…。
ようやく本題に入ります(汗)。今年のインフルエンザのワクチンの料金は市町村ごとに統一されるというウワサがあります。昨年の新型インフルエンザのワクチンでは、国が1回目3600円、2回目2550円と統一の料金設定を行いました。それはそれでスッキリしていました。今年もそれくらいの金額で行われるという話があるのです。
そもそも、同じワクチンを使っていてなぜ料金が違うのか不思議に思っていました。独占禁止法だかなんとかという理由らしいですが、よく理解できません。いずれにしても昨年の1回目3600円、2回目2550円というのは、患者さんからも、医師の立場からも安過ぎず、高過ぎずという“落としどころ”だったのだと思います。となると、上越での当院の1回目も2回目も2500円というのは、(自らの利益を削った)良心的な設定だと理解して頂けると思っています。
もし昨年の新型インフルエンザワクチンと同様の価格で決定となると、当院では実質“値上げ”ということになってしまいます。となると、かかりつけの患者さんにはご迷惑をおかけすることにつながってしまい、申し訳なく思っています。また新たな情報が入りましたら、この場でお知らせしたいと思います。
今の医療のルールは、余計なことをやればエクストラがあり、正直にやればやるほど、潤わないように思います。当院の場合は、収入のためだけに医療をやっている訳ではないので、決められたルールの中で良心的にやっていくしかありません。
逆に、親身で根拠のあることをやることが、一番の信用につながると思っています。患者さんを裏切らずに真面目にやっていれば、同業者が周囲にどんどん増えても、ついて来てくれる人は減らないと信じています。それが“経営”としても最も手堅い方法ではないかと思っています。


