小児科 すこやかアレルギークリニック

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そりゃないだろう
2010年09月22日 更新

いつも言っている通り、医師は根拠のあることをやるべきです。

ただ、食物アレルギーに関しては、昨日も触れたように「うちの子は○○と△△にアレルギーがあります」と言う場合は、ほとんどがアレルギー検査で○○と△△が陽性だったということを意味するようです。

本当は、実際に食べてアレルギー症状が出るものを「食物アレルギー」と定義しているはずです。検査結果が一人歩きしている訳ですが、医師の説明が不十分のことが多いと思います。

私のよく言うガイドラインには、食物アレルギーのものもあります。そこには「アレルギー検査の結果のみで除去食を行ってはならない」と明記されています。にもかかわらず、全く守られていないのです。「何のためのガイドラインか?」と思いますが、私は結構使わせて頂いています。

だいたい食物アレルギーはアレルギー検査が陽性だと、各医師が判で押したように「○○を食べてショックを起こすと困るから、除去するように」と言っていると思います。実は思った程、ショックを起こすものではなく、オーバーに言われていることが多いと思います。“脅されている”場合もあると思います。その結果、どのように食事を進めていいか分からないと、困り果てた患者さんが、地元では当院を受診される患者さんが増えています。

「アレルギー検査は当てにならないので、医院で食べてもらい、シロクロをつけるしかない」と説明しているのですが、それが特殊な方法ではなく、小児科医の間の“ルール”になっていることを分かってもらう必要があります。その際に、ガイドラインを提示しています。2005年発刊の食物アレルギーのガイドラインをお見せして、5年も前に「食物負荷試験」をして食べられるかどうか判断するというルールが決まっているんですよ、と言っています。

私にしてみれば、「食物負荷試験」をやらないのは“ルール違反”と思えるくらいのレベルなのですが、新潟県では一向に普及していません。各医師がもっと自分の診ている患者さんの幸せを考えるべきであろうと思っています。つまり、「除去して何も起きない」=「正しい判断をしている」と思っているように感じています。成長期のお子さんのことを考えれば、食べられるものを食べさせられていない訳ですから、決して「正しい判断をしている」とは言えないのです。

ましてや、昨日も触れたように「除去を続けることで、その食品を逆に食べられなくしている」かもしれないのです。また、「食物負荷試験」を日々行っている者しか分からないでしょうが、「食べられるかどうか確認しましょう」と親御さんを納得させられても、お子さんにしてみれば「食べていい」と急に手のひらを返したようなことを言われ、混乱してしまいます。負荷試験をする段になっても、長年の除去による抵抗感があり、全く口にしてくれない、なんてことがみられます。言葉が適切かどうか分かりませんが、いわゆる“心の病”のようになってしまっているのです。こういう事態はなるべき避けるべきなのです。

主治医に相談すると、アレルギー検査を行い、数値が下がっていれば、やはり判で押したように「家で少しずつ食べさせてみなさい。具合が悪ければすぐに連れてきて。」と言われることが多いと思います。親御さんは素人で分からないから、小児科医に対応を聞いているのであって、「ショックを起こすかもしれない」とさんざん脅されておいて、「少しずつ食べさせてみて」、「すぐに連れてきて」なんて、「そりゃないだろう」って思います。医院から遠い人はアナフィラキシーという危険な状態になっても、すぐには連れてこれないでしょう。だったら「ここ(医院)で食べさせてもらえませんか」とことになりますよね?。

私は恩師から、「患者さんに対し責任を持て。逃げてはいけない。」と教えられました。私に言わせれば、アレルギー検査だけで除去したり、解除も患者任せにするというのは責任放棄と言われても仕方がないと思うのです。

これが当たり前になっているなら、その“当たり前”を撤廃しなければならないと思っています。