小児科 すこやかアレルギークリニック

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20年の歴史
2010年09月30日 更新

私はアレルギーの学会に参加するとホッとします。

同じ分野に興味を持って、一生懸命に新しい情報を仕入れようと頑張っている小児科医は私にとっての“同志”だからです。

私は、年に3回ほどはアレルギーの全国規模の学会に参加しています。医学は日進月歩ですし、特にここ最近触れていて、「すこやか健康フェア」でも最大の売りとして取り上げる「経口減感作療法」は最も注目されている治療法です。年にそれくらいは学会に参加していないと取り残されてしまいます。

学会では、だいたい同じような顔が揃います。私の恩師や、日本の第一人者の先生や同年代の先生達と情報交換するのは、私にとっての楽しみでもあります。

アレルギーの専門医は、みなポリシーを持った治療をしていると思います。私もかなりこだわっており、その“こだわり”を日々つづっているつもりです。みなが「ガイドライン」を遵守しており、日々勉強しているため、治療方針はだいたい同じだと思います。よく書いている、ぜんそくを“風邪”、アトピーを“乳児湿疹”と誤った診断はしていません。適確に診断し、適切に治療をしているのです。

アレルギーの専門医の中でも「食物負荷試験」までやっている医師はかなり限られます。それでも患者さんのためにと、手間がかかろうが正しい医療をやるために「食物負荷試験」をやっている小児科医は、私の他にもいるのです。そういう仲間がいるのも、私にとっては大きな支えになっています。

私の推測では、なぜ「食物負荷試験」が普及しないかというと、やり方が分からない、時間が取られる、アレルギー検査だけで充分と考えている、不測の事態になったら責任をかぶらなくてはならない、大して収入に結びつかない、などが挙げられると思います。食べられるものまで食べないように指導している小児科医が少なくなく、もうちょっと患者さんの立場に立てば、「何としても食べさせてあげたい」という発想になると思うのです。

開業医でも、こだわってこれらの医療をやっていれば、どんな大病院に勝るとも劣らない医療ができると思います。先日、仲間の先生と話していたのですが、こんなことを言っていました。最新のアレルギー治療を取り入れて真面目に診療しているが、アレルギーが専門ではないけれど、20年もやっている地域のベテランの先生のところにアレルギーの患者さんが行ってしまうというものでした。

医療は経験を積めば、いろんなケースに遭遇しますので、百戦錬磨の医師になれます。しかし、アレルギーはそうとは言えません。アレルギーは、ここ数年で治療法が進歩し、ガイドラインもできてきました。あまりにも細分化、専門化してしまったため、専門でない先生は、よほど勉強しないと進歩についていけないだろうと思います。ずっとアレルギー検査で除去をしてきたので、それで事足りており「食物負荷試験」をやろうとは思わないでしょう。

20年も地元で医療を続けていると、知名度は抜群でしょうし、市民権も得ていることでしょう。そもそも、患者さん達はアレルギーは医師なら誰でも診られると思っているでしょうから、いくら医学的根拠のある最新の治療をやっていても、歴史の浅い医院へはなかなか足が向かわないと思うのです。

正直、私も似たような気持ちは持っています。地元の重症なアレルギーの患者さんは、すべて自分が診るくらいの覚悟は持っています。当院を受診すればもっと良くなるであろう患者さんは、まだまだ巷には多いのだろうと思っています。でも基本的に、そういった患者さんの受診を待つしかないと思います。20年という歴史は充分長いのだろうと思います。

結局は、地道に真面目に診療して、周囲の評価が上がるのを待つのが、「急がば回れ」なんだろうと思います。カッコつけるつもりはないですが、自分が“歴史”を作っていかなければならないのだと思っています。