平成13年に福岡の専門病院で生まれて初めて「食物負荷試験」をこの目で見ました。腰が抜けるくらいビックリしました。
秋になるとぜんそく発作で夜間に眠れなくなるお子さんが多くなります。勤務医時代に、当直していると一晩に何回も発作の患者さんで起こされました。深夜3時とか5時に来院の電話で叩き起こされるのです。
私も翌日もフルに仕事があるので、正直言ってなるべく起こされたくはないのですが、ゼーゼーいって眠れないお子さんをみる度に、「この子はオレより辛いんだよな」と考えていました。「日本の第一人者はぜんそくの子ども達にどんな治療をしているんだろう?、見てみたい」、そう思ったのが国内留学のきっかけでした。
そこで、食物アレルギーの最先端の医療にも触れさせて頂くことができました。ぜんそくの治療も私が学んだ新潟県のレベルとは大きく異なりましたが、やはり「食物負荷試験」が最もショッキングな出来事でした。
それ以来、どうしたら新潟県に「食物負荷試験」を広めることができるだろうか?と考え続けています。前勤務先の病院でもアレルギー研修会と称し、食物アレルギーも含めたアレルギーの病気に関する情報発信はしていましたが、参加を呼びかけていたのは近隣の地域だけだったので、「新潟県全体に広めたいのに…」という思いはくすぶっていました。
医師は、自分の元を受診してくれる患者さんにしか話ができません。でも、適切な医療を受けられていないお子さんは、県内には大勢いらっしゃいます。情報発信が不可欠になります。上越の地に開業してからは、自分の責任において思い切ったことができます。「すこやか健康フェア」もその一環です。その影響もあると思うのですが、県内各地で食物アレルギーの講演も依頼されるようになりました。
患者さんは、ガイドラインに沿った正しい医療を受ける権利があります。しかし、「食物負荷試験」に理解を示さない医師達が非常に多く、新潟県には「食物負荷試験」がなきものにされてしまっています。「それはおかしい」と考え、意地でも「食物負荷試験」を県内に広めたいと思っている訳です。
「食物負荷試験」が充分に普及する前に、もっと新しい、注目すべき「経口減感作療法」が全国の専門施設で試されています。食べてそのアレルゲンに体を慣れさせてしまうという逆転の発想です。私もまだ取り組んではいませんが、いずれは確実に普及する治療法です。いま旬の話題を「すこやか健康フェア」で取り上げない訳にはいきません。
そこで全国の専門施設をリードする素晴らしいデータを出している神奈川県立こども医療センターの高増先生にお願いして、講演して頂こうと思った訳です。
最近は、私への講演の依頼も少なくなく、県内各地からアレルギーで困っている患者さん達が当院を受診して下さっています。慢性疾患はすぐには治らないため、当院を頼って下さる患者さんは年々増えています。忙しい日々の診療の中で、こういうイベントの企画はすべて当院でやっていますので、なかなか体を休める暇もありません。
でも「すこやか健康フェア」などの啓発活動は続けてこそ、意味があることなので、何とか頑張っていきたいと思います。そのためには、それなりに参加者が来て下さることが私のエネルギーになります。
第3回目の「すこやか健康フェア」は2日の10時からになります。幸い天候には恵まれそうですが、運動会ともろにぶつかる園もあるようです。「経口減感作療法」の話は県内では滅多に聞けないですので、興味のある方は14時に上越文化会館にお越し下さい。もちろん、入場は無料です。


