小児科 すこやかアレルギークリニック

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2010年10月19日 更新

どうしたら地元のアレルギーのレベルアップを図ることができるかと、いつも考えています。

先日、咳が止まらないという訴えで患者さんが当院を初めて受診されました。あいにく、当院は3番目の受診でした。

経過はこうです。咳が気になり、まず最初に近くの内科を受診したそうです。その内科の先生の診断は、ぜんそくでした。治療しても良くならなかったため、ある小児科に紹介状を書いて治療を委ねたそうです。その小児科に通院しても一向に改善しなかったため、しびれを切らして当院を受診したという格好です。いつものことながら、当院へは「紹介」という形ではありませんでした。

状況を整理していきたいのですが、内科の先生はぜんそくを考えて対応されました。それで良くならなかったため、患者さんが子どもだったために小児科専門医に紹介状を書いたので、対応としてはキチンとしたものでした。

次に、紹介先の小児科ではアドエアという薬が出されていました。ここでアドエアにも触れておかなければなりません。この薬はぜんそくの究極の薬といったら、言い過ぎでしょうか?。でもこの薬のお陰で、特に成人ぜんそくは治療しやすくなったと言われています。

この薬には2種類の成分が含まれています。フルタイドとセレベントというそれぞれ市販されている薬であり、それを混合した薬なのです。ぜんそくは気道炎症といって、要するに気管支が荒れているため、その“荒れ”を修復してあげる必要があります。それがフルタイドです。

一方、その荒れのせいで気管支がちょっとした刺激で収縮しやすくなっています。気管支が狭くなれば、酸素の取り込みが減って苦しくなってしまいます。セレベントは1回吸うと12時間気管支を拡張させる効果があるため、2回吸いさえすれば24時間気管が開き、楽になるはずです。

これらの薬の併せ技で、大人のぜんそくは治すことは難しくても、かなり症状を抑えることができるようになったと言われています。先のお子さんには、アドエアが処方されていました。プロであれば、自分の処方した薬がどのように効くか、どれくらいで効果が出るのか、副作用はどんなものがあるかなどを知っておく必要があります。

私の経験から言えば、1週間もあれば効果を感じることができると思います。しかし、症状は全く改善がありませんでした。どうしてでしょうか?。

答は簡単。ぜんそくじゃないからです。もしかしたら、ぜんそくという触れ込みで紹介されてきたので、小児科の先生はぜんそくということが頭から離れなかったのでしょう。でも、先入観を持って医療をしては、正しい判断はできないと思います。

紹介先の内科の先生は呼吸器内科ではないので、逆に最初の時点で「ぜんそくではないんじゃないか」と考える必要があったと思うのです。当院を初診された際に、これまでの経過を詳しく聞いただけで、「これはぜんそくじゃないな」と思わせる充分な証拠があったのです。

以前も触れましたが、過去にこんなことがありました。ある小児科医で咳が止まらないお子さんの治療に、先程も出てきたフルタイドや、麻薬系鎮咳薬まで使われていました。それでも咳は止まりませんでした。その答は、心因性咳嗽だったからです。ストレスにより“咳”が出ますので、どんな強い咳止めを使おうが止まるはずはないのです。当院にやはり紹介ではなく、患者さんの判断で受診され、ぜんそくとはつじつまが合わない症状がみられることから、心因性の咳と診断し、ストレスの元を見出し、対応することにより、咳を消失させることができました。

今回の患者さんも、もしぜんそくならアドエアを1~2週間も使えば、症状は改善しているはずです。本当なら、そこで「おかしい」と思わなければいけないのです。実は、このお子さんも心因の関与を考えています。受診されて間もないので、治療経過の中で真実を追究していくつもりです。

冒頭に、どうしたらアレルギーのレベルアップを図ることができるか悩んでいると書きました。心因性咳嗽はアレルギーではありませんが、ぜんそくの専門医であれば、見破ることはさほど難しくはないと思います。現時点では、長引く咳が良くならないような時は、“医者を替える”のが手っ取り早く、しかも現実的な方法と言わざるを得ません。

紹介状さえ書いて下されば、心因性咳嗽なり、どう考えてどう治療したかという返事を書くことができます。その先生も、その後に似たようなケースに当たった場合は、スムーズに対応できると思います。なかなか紹介状を書く習慣のない先生もいるようで、治療しても良くならない時は、他の医師に委ねるようなシステムが出来上がらないと、患者さんは路頭に迷うようなケースは減らないのではないかと思っています。