インフルエンザの患者さんが増えています。
これは日々診療しての実感ですが、テレビで報道されていましたが、全国的な傾向だそうです。来週あたりがピークと予想されているとも言っていましたが、こちらではまだ全く流行ってもいない地域も多く、その予想は上越には当てはまらないだと思います。
これもテレビで言っていましたが、年末までは季節性インフルエンザが多く、今年に入って新型インフルエンザが増えているのだそうです。新潟でも新型が主流のようです。確かに、大した熱もないのに検査でインフルエンザが陽性、と出ることも多いのです。
昨年かかった患者さんは、症状が軽いとも言っていました。同じ新型インフルエンザだからというのがその理由ですが、これから流行が本格化してくれば、昨年もかかったという人が増えてくるでしょうから、そういう印象を私も持つのかもしれません。
少し前にインフルエンザのワクチンをやっていても、かかる患者さんが多いようだと書きました。実際に今シーズンインフルエンザにかかった患者さんの接種歴を聞いてみると、ほとんどがワクチンを打っています。ただ、ワクチンを打ってかかっていない人は受診しない訳で、予防接種がどれだけ予防効果を発揮しているのかは、何とも言えない状況です。
これも以前触れましたが、今シーズンからインフルエンザの治療薬が2つ増えました。これまではタミフルという内服薬と、リレンザという吸入薬の二つでした。今回から点滴の薬と吸入薬が追加されました。どちらもひと工夫されており、タミフルやリレンザは5日間連用しないといけませんが、1回の投与でそれらの5日分と同等の効果を持つというものです。
開業医を受診するようなインフルエンザの患者さんは、基本的には元気な訳で、小児科医たるもの子どもの嫌がる点滴は極力避ける必要があります。確かに子どもは大人に比べて、脱水に至りやすいという特徴があります。点滴を行う医療機関も多いですが、点滴しなくても多くの発熱、嘔吐患者さんが改善しており、当院では必要最小限にしています。ですから、点滴のインフルエンザ薬は使う予定は今のところありません。熱性けいれんを起こして、タミフルなどの薬がすぐには飲めない状況で使おうかと考えています。
もう一つのタミフルやリレンザ5日連用に相当する吸入薬は、「イナビル」という名前です。小瓶に粉の薬が入っており、吸い口から吸うという形で吸入するのですが、10歳未満だと1個、10歳以上だと2個吸います。だいたい薬は内服薬でも成人用と小児用の2種類が用意されています。例えば5mgの小さな錠剤と10mgの大人用の大きな錠剤です。メーカーは製造に手間がかかるのだろうと思いますが、この「イナビル」は子どもが1個、大人が2個吸うので、製造のコストは抑えられるのかなと思っています。
使い方は、メーカーの下記のページを参照して下さい。
http://www.influ-news.info/inhalation/usage.html
変わった小瓶で、内部が2つに分かれていて、スライドするようになっており、片方に溜まった薬を吸い、反対側の薬もスライドさせることにより残りの分を吸うというスタイルです。10歳以上はもう1個の小瓶を同様にして吸います。たったこれだけの操作で、タミフルを朝晩2回飲み、5日続けなければならなかったのが、1~2分もあれば終わってしまうのです。
ただし、確実に吸えなければ効果が期待できません。小学校低学年では難しいかもしれません。当院はぜんそくの患者さんを多く診ており、当院で治療中のお子さんがインフルエンザにかかった時は受診して下さいます。吸入ステロイド薬を使用中であれば、同じ粉の薬を吸うというスタイルは同じですので、確実に吸えることでしょう。
ということで、そういう患者さんにこの「イナビル」を処方しています。今のところ、1~2日で解熱してくれ、タミフルと同等の切れ味を持っているという印象があります。
別にメーカーから宣伝料を頂いている訳ではないのですが(笑)、この薬の最も便利なところは、処方薬局で薬剤師さんの目の前で吸うことができることでしょう。新しい薬のため、どの患者さんも使用は初めてのはずです。容器をスライドさせて、2回吸うのは最初はちょっと戸惑うことでしょう。使い方と教えてもらい、その場で吸ってしまえば、子どもたちは家で静養しているだけで済みます。薬の飲み忘れという問題も起きないでしょう。どの薬局でも対応してもらえるかは分かりませんが、そういう意味では便利な薬だと思っています。
中には、使い慣れていないという理由でタミフルやリレンザを処方されるかもしれませんが、患者さんにメリットがあれば新薬と言えども安全性は確認されているため使っていこうと思っています。ただ、子どもの全てに使える訳ではないため、今後も吸えるかどうかの適応を考えながら、処方していこうと思っています。


