小児科 すこやかアレルギークリニック

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病院からのお知らせ

経緯
2011年04月20日 更新

医療は、コンビニエンスストアではないと思っています。

中には軽い風邪症状で、とりあえず風邪薬だけ欲しいという親御さんもいらっしゃるかもしれませんが、子どもがいつも軽い症状とは限りません。熱が続いたり、ぐったりして、とても不安になることもあるでしょう。症状が軽い時も、軽くない時も、つまりどんな時も、なるべくキチンと診断し、適切に治療する姿勢が求められていると思います。

昨日触れたように、嘔吐を繰り返していても「胃腸炎です。ハイ、点滴。」では何の解決にもなっておらず、申し訳ないですが、そんなところで医師の資質が問われるのだと思います。

具合が悪くなった時だけ、当院を受診される患者さんもいらっしゃいます。信頼されていないとこうはいかないので、悪い気はしません。逆に、普段かかっていた患者さんが、当院で良くならず、そんな時にだけ他の医療機関に行っていたら、医師として情けなく思います。そういうことは極力避けたいと思っています。

コンビニ的な方が経営的には収益が上がるかもしれませんが、長い目で見て上越の医療レベルを上げるためには、目先にこだわらず、質の高い医療を心掛けるべきであろうと考えています。

当院はアレルギーにこだわっていますが、「アレルギーだけ」と思われたくないので、一般小児科も真面目に診ているつもりです。

先日、胃腸炎で嘔吐を繰り返しているお子さんを診察した時に、「脱水もあり、かわいそうだけど、今回はさすがに点滴が必要でしょう」と話したら、私がこどもに痛い治療を極力しない方針をご存知だったため、「先生がそう言うのなら、よほどなのでしょう」と言われました。“無駄な点滴はしない”という当院の方針が認知されてきたのだと思います。

とは言え、アレルギーについては「やっぱり全然違いますね」と思って欲しいという下心もあります(汗)。

2月に東京で食物アレルギー研究会がありました。食物アレルギーのプロが集まる学会ですが、私も2年連続で発表をしてきました。今年は当院の「食物負荷試験」のことを話してきたのですが、私の発表を取り仕切る司会者の先生が、相模原病院の先生でした。相模原病院と言えば、泣く子も黙る、アレルギーの専門病院です。

発表が終わったあとに、その先生から私に質問がありました。「なぜそこまでして負荷試験をやるのですか?」というものでした。専門病院はスタッフも多く、いわゆるマンパワーがあるので、当院の3倍くらいの負荷試験をやっているようですし、もちろん高度な知識があるので、より重症な患者さんにも対応できるのだと思います。

開業医は、医師が一人しかおらず、時間的にも肉体的にもキツいはずです。全国的にもほとんどの開業医が、負荷試験をやっていません。不用意に食べさせてアナフィラキシーになってしまったら困るという、リスクを避ける意味合いもあるでしょうし、技術的な問題が一番でしょうが、時間も手間も取られます。そういう理由で「食物負荷試験」は行っていないのだと思います。

その質問に対し、「開業医だからといって、レベルの低いことをやって良い訳ではないし、エビデンス(医学的根拠)のある医療をすべきだと思い頑張っています」と応えました。

医師が開業するのは、いろんな理由があるでしょう。最近は報道などで勤務医不足が指摘されていますが、勤務医は、当直など結構ハードな診療を余儀なくされます。体力的な問題から、開業を思い立つ先生もいることでしょう。

私の場合は、勤務医時代にアレルギー外来を週2回の枠でやっていたのですが、ニーズがあり過ぎてパンクしてしまい、午前中の一般外来までアレルギーの患者さんが受診する結果となり、患者さんのニーズに合わせるためには、毎日外来のできる“開業医”という立場にならざるを得なかった、という経緯があります。

特に新潟県のようなアレルギーの専門医の少ない地域では、専門医が毎日外来でアレルギーの患者さんを診られることは、患者さんにとってもメリットはあると思っています。ただし、だからといって流れ作業的な診療スタイルで、説明もせずにやっていては、経営重視の診療だと思われてしまいかねません。

診療の方針をみていると、周囲の開業医の先生のやりたいことはだいたい分かります。医療レベルにこだわっている先生もいれば、数を多く診ることにこだわっているように見える先生もいます。当院の場合は、これからもアレルギー専門医のいる個人の“専門病院”として、手間ひまを惜しまず、期待に応えられるよう努力していきたいと考えています。