5日はゴールデンウィーク最終日でもあり、こどもの日でもありました。
ニュースで、過去29年に渡り、連続してこどもの数が減少していると言っていました。産科や小児科は“斜陽化”というと言い過ぎかもしれませんが、将来的に“厳しい”のだろうと思います。そんなことから、若い医師から敬遠されていき、より一層なり手が減っていくのかもしれません。
現在の小児科医も、今後こどもが増えることは期待できそうにないので、特に開業医は大変だろうと思います。患者が減る=収入が減るとなりますから、開業医は患者さんを減らさないような動きに出ると思います。
専門医と非専門医の間には、患者さんが思う以上に大きな差がありますので、患者さんは自身の身を守るためにもセカンドオピニオンで、現在行われている医療が正しいのか確認する必要があると思っています。しかし、自信がある医師ほど、セカンドオピニオンを希望すれは応じてくれるでしょうが、そうでない医師は応じずに、自分のところに抱え込もうとするのは想像に難くありません。
当院に来られる初診患者さんのほとんどが、小児科や内科、皮膚科、耳鼻科などに既にかかっていて、それで咳や皮膚症状が良くならなくて困り果てています。どの医院さんがどれくらいの“腕”なのかは、十分承知しています。やっていることが、理解できる患者さんもいれば、全く分からない患者さんもいます。
例えば、ぜんそくなのに、マイコプラズマとか診断されて点滴を繰り返されていると、「またか…」と思ってしまいます。当院に紹介状を書いてくれれば、「ぜんそくと診断すべきで、マイコプラズマではありません」とお返事を書くのですが、紹介状をもらったことがないので、間違っていることを指摘できず、同じようなことを懲りもせずに繰り返している場合もあります。
こういう対応をしていると、敢えて言いますが、患者さんを治したいのかさえも伝わってこないので、かばいようがないのです。ぜんそくの診断基準を示し、ぜんそくであることを理解して頂くしか方法はありません。
私が「風邪です」、「マイコプラズマです」などと言って、似たような治療をしても、診断が違っているので改善は見込めません。私も含め、専門医なら患者さんの味方になる方を選ぶでしょうから、これまでの治療を中止し、適切な治療を提案すると思います。
また、食物アレルギーこそ、最も小児科医の言うことが、専門医か専門でないかにより真逆になると思います。つまり、アレルギー検査が高いと「食べて症状が出なければ、食べても良い」と言われるか「完全除去すべき」と言われたり、「食物負荷試験をやりましょう」と言われるか、「家で少量から食べさせてみて」と言われたりします。
県内には食物負荷試験をやっている病院、医院が相当限られるので、多分新潟県内で行われてる、すべての食物負荷試験の半数以上は当院でやっていると思っています。そのほとんどが患者さんが、園や学校の先生から、当院がこの辺では唯一のアレルギー専門医だと紹介されて受診されているのであって、同業者からの紹介はほとんど期待できない状況です。
お子さんが感染症で病児保育を希望されると、当院では市の施設2カ所と個人の1カ所のご希望通りのところで病児保育ができるように指示書を書いています。働くお母さんも多いので、病児保育の重要性も理解しているつもりです。しかし、他院に通っても良くならないぜんそくやアトピー性皮膚炎の患者さんが毎日何人も受診され、その多くに20~30分説明していると、病児保育まで手が回りません。患者さんが病児保育を希望されれば、その3カ所のいずれに紹介しています。
各小児科医は得意分野があったりするので、得意分野、苦手分野で連携をとることで地域の医療貢献ができるのだと思っています。しかし、アレルギーに関して、前医で明らかに手に持て余しているのが感じられても、紹介を受けたことがなく、これはどうしてだろう?と思っています。
食物アレルギーは、少なくともよほど軽いケース以外は、食物負荷試験をして食べられる・食べられないの白黒をつけることが必要とガイドラインに明記されています。負荷試験を行い、なるべく必要最小限の除去になるようにするのがスタンダードな治療だと言われています。成長期のお子さんに、決して「あれもダメ、これもダメ」と指導すべきではないと言われています。
多くの小児科医が、食物負荷試験を1度もやったことのないと思われ、やりたくともできない状況でしょう。ここはやり慣れた医師と連携すべきなのに、それがないのは何故なのでしょうか?。「どうせ成長とともに食べられる」と高をくくっている医師も少なくないでしょうし、経営を考えている医院さんも中にはいると思っています。
当院では、独自の食物アレルギーの診断書を使っています。そこには卵なら卵製品、牛乳なら乳製品の含まれる量を一般的な食品で大きく4つのクラスに分けた表を使い、ここまでは食べられ、これ以上は食べられない、というように指導しています。先日、当院の表とそっくりの表を持ってきた患者さんがいて驚きました。そっくりなのに私には何の断りもなかったからです。そこまでして紹介したくないか、とさえ思いました。
少子化は、少ない子どもを大切に育てていくことを表すと思いますが、今でさえ、紹介状を書きたがらない医師がいる訳ですから、本来紹介すべきケースでも、医師の“意向”で専門医に紹介されないことも、今後は更に増えていくかもしれません。それは患者さんにとって不幸なことと言わざるを得ません。
来月に直江津地区で食物アレルギーの講演を依頼されています。親御さんも参加されるそうですし、この辺で誰が専門的に、そして良心的に取り組んでいるのかを知って頂くいい機会だと思っています。
上越にはこれまで食物負荷試験をやっている医師がおらず、県内でまず上越のレベルアップを図りたいと思っています。負荷試験をやっていなければ食物アレルギーの適切な医療はできないとまで言われていますので、いろんな意味で“真実”を知って頂こうと思っています。


