当院は、4日から通常の診療体制に戻ります。
昨日も触れたように“初仕事”は終わっていますが、当院は他の医院さんとは診療内容が異なっておりますので、当院ならではの、当院での診療は4日がお初ということになります。
2012年のマニュフェスとを掲げた方がいいのでしょうか?(笑)。基本的には、開院当初の私の「夢」を押し進めることになります。
アレルギーの専門医が新潟県には少なく、上越市にはあいにく私しかいない状況です。
「専門医の勧める医療を広める」ことになるのですが、“専門医の勧める”なんていうと高度な技術が必要なことのように思うかもしれません。アレルギーがこれだけ子どもの高頻度に見られる時代ですから、「ぜんそくやアトピー性皮膚炎を正しく診断する」ことは専門医でなくても、医師なら当たり前にできなければいけないことです。
そもそも「治療」は「診断」ができなければ、できないことのはずです。以前も書いたと思いますが、外来で親御さんによく言っていることです。お母さんの胃の調子が悪いとして、医者にかかったとします。「最悪のケースを考えて、胃ガンが心配ですから、手術をしましょう」と言われたとします。胃ガンではなく、胃潰瘍だったとしたら、普通は内科的治療をするはずです。よくある胃潰瘍で、手術されてはたまったものではありません。
結局、キチンと診断して病名を定めることが大事なのです。ただし、その病気にも重症度があるでしょう。重ければガッチリした治療、軽ければ軽めの治療というように、重症度により治療が変わる場合もあります。つまり、病名と重症度を見極めてから、それに見合った治療を開始することが大切だということです。それも医師の経験によって変わってしまっては困りますので、この場でよく書いている「ガイドライン」を参考に治療すれはほとんどのケースで症状は落ち着くことになります。
当院によく来られる患者さんは、診断が間違っていて、治療も適切でないため、改善していないのです。診断できなければ、紹介状を書くべきなのに、というか患者さん本位の医療をしていれば、自ずと「紹介しなければ」という気持ちになるはずなのですが、なかなかそうはいかないものです。それが地元の医療の、問題点のひとつです。
医師によっては、知らずにそうやっている場合と、わざとやっているとしか思えないケースもあり、患者さんを守りたいと思って診療している専門医にとっては、やっかいな問題です。「紹介して下さい」とってもまず無理でしょう。
となると、いつもの繰り返しですが患者さんに「ガイドライン」の存在を知って頂くことが不可欠になります。
私が大学生の頃、渡辺美里さんが人気がありました。当時はカセットテープの時代でしたが(汗)、私も何度も聴いたものです。確かシングルカットされなかった曲だったと思いますが、歌詞の中に「好きなものは好きと言える、そう決めたんだ」というフレーズがありました。当たり前のことですが、潜在的に私の中に残っていました。
何が言いたいかというと、地元の医療レベルを上げるために、本来は医師たちが協力し合う姿勢が必要なのですが、それが難しいようで、言いたいことも言えない状況になっているようになっています。私は“ダメな医療”はダメと言い続けようと思います。そう決めました(笑)。
アトピー性皮膚炎を乳児湿疹と言い、ステロイドを使うことさえ説明しない医療はダメですし、ぜんそくをマイコプラズマと誤診して点滴を続ける医療は、敢えて言えば詐欺に近いと思います。食物アレルギーの患者さんを見て、食物負荷試験の話を出さないのもダメな医師と言わざるを得ません。
誰かがこれくらいハッキリものを言わないと、患者さんはかかりつけ医の言うことは正しいという先入観を持っています。結構正しくないことを言っている医師も見かけるので、ダメな医療はダメと言える人になりたいと思っています。
上越の地で「アトピーの誤診を減らしましょう」、「食物負荷試験を受けてどこまで食べられるのかキチンと判断しましょう」と大声で叫んでも、上越の地にさえ大して広まっていない状態です。当院は上越の患者さんだけ診ている訳ではなく、市外からも患者さんは多く、すなわち県内には困っている患者さんは極めて大勢存在しているのです。それをどうにかするために、作戦を練っていますが、どうにかせねばと思っています。2012年はそれを更に広めたいと思っています。
食物アレルギーで特に重症ならアナフィラキシーを起こしやすいため、エピエンや抗ヒスタミン薬などの内服薬を早急に投与する必要があります。それも園側の理解不足により“医療行為”として対応が避けられているケースが圧倒的に多いのです。その理解不足を解消する努力も積極的に始めたのは、昨年の末からなので、それも推進していきたいと思っています。
講演もやっていこうと思っています。地域の啓発はより一層力を入れていこうと思っています。また第5回「すこやか健康フェア」も食物アレルギーにおいて日本を代表する先生にお越し頂くので、万全の準備で成功させたいと思っています。自分のためにも年2回は全国規模の学会で発表を行なっていますが、これも続け、小児アレルギー学会においてはイチロー選手の記録を抜き去る11年連続の発表にも挑みたいと思っています。
もちろん、診療に手は抜きませんし、もしかしたら遠路からの受診も増えるかもしれず、キチンと対応したいと思っています。
昨年は、あっという間に1年が終わってしまいました。それなりに充実してからからかなと思っていますが、昨年よりはもっと実のある医療や啓発をやっていきたいというのが2012年のマニュフェスとです。


