6月16日(土)は学会に参加するため、休診とさせて頂きます。ご迷惑をお掛けしますが、ご理解の程、宜しくお願いします。
医師たる者、やはり時々は学会に参加して最新情報を学んでくるべきだと思っています。
先日、ぜんそくの患者さんが当院を初めて受診されました。元は別の小児科に行っており、あまりに発作を繰り返すので、次の小児科に行き、パルミコートという吸入薬を処方されました。この吸入は、液体で吸入器という機械を使って吸入するものです。
重症なぜんそくの乳幼児にはお勧めの治療法であり、実際に繰り返していた発作はかなり起こさなくなったようです。つまり、とても有効な治療だったということです。
ところが、ある理由でスパッと中止になりました。パルミコートは比較的新しい薬ですが、発売当初は生後6か月から5歳未満の乳幼児が適応とされていました。親御さんの話では「5歳で使えなくなるから」という説明を受けたそうです。
その話を聞いて「えっ」と思いました。しばらく前にその“縛り”は取れているのです。つまり、5歳以上でも処方していいことが決定されています。調べてみると2010年の秋に決まったことでした。学会に参加していれば、こういう「朗報」は入ってくるのです。
私がいつも食物アレルギーの診療には「食物負荷試験」が欠かせないと言っています。
アレルギー関係の学会に参加すると、最近食物アレルギーが注目されていることもあり、参加する小児科医は多いのです。ただ、新潟県からの参加者はあまり見かけません。それで患者さんには「2歳まで除去が必要」なんて言っている医師もいます。
私は「2歳まで除去という根拠を示して下さい」と言ってやりたいのです。食物アレルギーの患者さんを多く診ていると、1歳で食べられる子もいるし、小学校に上がっても食べられないお子さんもいます。
学会では2歳がどうのこうのとは言っていません。「食物負荷試験」をやってなるべく早く食べられるものは食べさせるべきというスタンスを取っています。これも何年も前から、そう言われているのです。
アレルギー以外では、正直自信のない場合もあります(汗)。他の分野でも、私のよく言うガイドラインは存在し、例えば時々相談を受けるのですが、「夜尿症」にもガイドラインはあります。
夜尿症にも、病型があり、それに基づいた治療法を選択することになっており、私は内分泌の専門ではありませんが、その通りに診断し、推奨する治療をすると夜尿の回数は明らかに減ります。
自分なりにやってみて、私の手に負えないと思えば、専門医に紹介しており、役割分担は果たしているつもりです。そうすることで、患者さんには質の高い医療を提供できると思っています。
食物アレルギーに詳しくない医師が「2歳まで除去」などと説明していると、「食物負荷試験」のことはご存知なはずですから、自分でも根拠がないことは知っていると思います。「心が痛まないのか?」って思います。
結局、「正しい医療、根拠のある医療をやりたい」と思っていれば、そういう気持ちが学会へ足を向かわせることになるのだと思います。