小児科 すこやかアレルギークリニック

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少しでもいいものを
2012年07月10日 更新

私は、人前で話すことの苦手なのですが、最近は少しはマシになったのかなと思っています。

ポイントは「背に腹はかえられない」ということでしょう。いつも言っているように、食物アレルギーの専門医は極めて少なく、食べられる・食べられないなどガイドラインからかけ離れた指導をしている医師も多いため、困っている新潟県内の患者さんを一人でも減らすには、食物アレルギーの正しい知識を多くの人に知って欲しいと思うからです。

開院して間もない頃は、「院内勉強会」を定期的に行なっていました。しかし、結局当院かかりつけの患者さんくらいしか参加してくれず、本当は誤った指導をされている、他院にかかっている患者さんに参加して頂きたいのです。繰り返し実施しているうちに、この作戦には限界があることを知りました。

私としては、日本の第一人者の先生から直接教えて頂いた知識を、新潟県のために有効に活用したいと思っています。「院内勉強会」は今後やらないという訳ではありませんが、エネルギーを注いでいる割りに、コストパフォーマンスが悪いのかなと思っています。

そこで考えたのが、「外に出ていく」ということです。食物アレルギーのことを知りたいというのは、親御さんの他に園や学校関係者にも多いと思います。これならエネルギーを注いだ分の効果も期待できます。残念ながら「院内勉強会」とはコストパフォーマンスが大幅に異なります。

先週、先々週とN市に行きましたが、明日はM市に行きます。1週おいて別のN市の栄養士の先生の会合で食物アレルギーの話をします。最初は「栄養のプロの前で私の話すことなどあるのだろうか?」と思いましたが、食物アレルギーの臨床は色々経験していますので、その辺を中心に話を組み立てようと思っています。また次の週はN市で今度は養護の先生にお話しします。

多分、この5回だけで参加者は200名を越えるでしょう。「院内勉強会」の何回分にも相当します。より困っている方の前で食物アレルギーの新しい考え方などを話すことができます。

現在、最も力を入れているのは、エピペンの使い方を中心とした話なので、エピペンの使用は医療行為か?、エピペンの有効性は?、エピペンの副作用は?、どのタイミングで使うのか?などという話となり、同じ人が話すので、同じような内容になってしまいます。それは致し方ないと思います。

ただ、少しでもいいものをと考えていますので、毎回発表のスライドを眺めてみて、分かりやすかどうかなどに注意を払っています。学会に参加すると会場には医学書のコーナーがあります。いつも食物アレルギーの本を中心に買ってきていますので、興味のある話や分かりやすい図などを参考にさせて頂いています。

今もパラパラと医学書を見ながら、どの図を使おうかと考えています。栄養士の先生方の勉強会では、エピペンの話をする必要性は薄いので、主要アレルゲンについての解説の他、果物アレルギーなど、これまであまり話さなかったことを加える必要があります。これまでの講演のスライドは基本的には使えますが、それなりの修正が必要でしょう。

向上心を忘れてしまったら、廃れていくだけです。医療でも、こういう講演活動でも同じでしょう。食物アレルギーの10年以上も前の指導を平気でやっている医師もいます。例えば、卵アレルギーなら卵製品は完全除去の他、鶏肉も魚卵も除去の必要があるというものです。10年以上も自身の医療レベルが進化していないって、恐ろしいことですし、患者さんからすればいい迷惑です。

これから続く講演の直前には、もっといい話をするために、毎回悩もうと思っています。学会に参加すると、第一人者の先生方の話をよく聞きますが、明快な話に舌を巻きます。冒頭に、少しは話し慣れてきたと言いましたが、話は下手なままです(涙)。それは才能の部分も大きいとは思います。

ただし、医療も講演も一番大事なのは「ハート」だと思っています。どれだけ伝えたいかという気持ちの問題です。それは十分持っているつもりですので、頑張ろうと思っています。