小児科 すこやかアレルギークリニック

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2012年07月25日 更新

今日、仕事を早めに切り上げて、高速を使って新潟市に向かいます。

昨日も言ったように、栄養士の方から食物アレルギーの講演を依頼されています。

昨日、N市から患者さんが来られ、「食物負荷試験」を行ないました。食材は豆腐でした。当院は積極的に負荷試験をやっていますが、圧倒的に卵が多く、次いで乳製品となっています。豆腐、つまり大豆製品は頻度の問題もあり、あまりやっていません。

以前は、卵、牛乳、大豆、これが3大アレルゲンと言われたものです。しかし、今では卵、牛乳、小麦と大豆が小麦に取って代わられています。私の中では、「大豆ってそんなにメジャーなアレルゲンだったの?」って気もしています。何故なら、あまり強い即時型反応は起こさないという印象があるからです。

実際、アトピー性皮膚炎の悪化要因にはなるけれど、アナフィラキシーはあまり起こさないようです。ただ、個人的には負荷試験で即時型反応を起こした経験はあります。

今回の患者さんも、1年ほど前に初めて当院を受診され、アレルギー検査で大豆が陽性のため、前医から除去を指示されていたため、「食べられる可能性が高いから、負荷試験をしてみましょう」と言っていました。実際に負荷試験をやったところ、軽いですが症状が誘発されてしまったため、除去をしていました。

その他にも負荷試験で食べられるかどうかを確かめる必要のある食材もあったのですが、当院まで距離があると言うことで中断されていました。「また挑戦したい」と相談に来られたのです。

この方はピーナッツがクラス6で、さすがに負荷しようとは思いませんが、大豆も小麦も陽性でした。大豆はクラス3か4だったでしょうか。小麦はクラス5でした。そのどちらかで負荷試験をやろうということになりました。

前にも言ったことがありますが、卵や乳ならまだしも、小麦を除去し続けるのはかなり辛いはずです。何故なら、うどんやスパゲティ、パンなど主食が食べられないからです。また子どもの好きなビスケットやクッキーさえも食べられません。親御さんとしても、結構辛いと思うのです。

小麦はクラス6であっても、うどんは4分の1の人が食べられるというデータがあります。クラス5ならもっといけるはずです。ということで、大豆が昨年症状が出たので、小麦に挑戦したいという気持ちもあったのですが、成功させてリズムに乗りたいと考え、まず豆腐で負荷をしようと決めました。

結果は、リベンジ達成です。もっと早く解除できていたのではという気持ちもありましたが、1年ぶりの受診だったので、良しとしましょう。今度は小麦の加工品で挑戦することになっています。お母さんも、他の食品について次回の負荷に向けて弾みがついたのだろうと思っています。

栄養士の方への講演では、こういう私の日々の奮闘というか、日頃考え、行なっていることが伝わればと思っています。

あいにく県内には食物アレルギーの専門医がほとんどいなく、「食物負荷試験」もほとんど行なわれていません。専門でない先生方も、負荷試験の存在を患者さんに伝えて欲しいのですが、そんな検査は存在しないかのように振る舞っています。患者さんに“真実”を伝えていない現実は、「もっと患者さんにベストを尽くすべき」と思っています。

そんな状況だから、栄養士の方々にも「食物負荷試験」の存在は全くと言っていいほど伝わっていないでしょう。非専門医のスタンダードが、新潟県の「スタンダード」になっていては、いつまで経っても患者さんは救われません。

栄養のプロである栄養士さんに“真実”を伝えてこようと思っています。多分、ご存知ない方が多いでしょうが、厚生労働省の研究班が「食物アレルギーの栄養指導の手引き2011」というものが存在します。この冊子の先頭に「食物アレルギー患者に対する栄養指導の役割は大きく、不可欠である」と明記されています。読んでいくと、更に「栄養士はその支援・指導にかかわることが期待されている」と書かれています。

こんなことが書かれていることを知らない栄養士さんは多いでしょうし、今後は栄養のプロとして食物アレルギーに積極的にかかわって頂けるよう、少しでも刺激になればと思っています。