小児科 すこやかアレルギークリニック

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伝わったかな
2012年08月02日 更新

昨日は、診療が終わったら、長岡市に向かいました。

診療が終わり、講演までの時間もなかったので、車の中でおにぎりを頬張りました。今回は中越地区の養護教諭の先生が対象でした。最初話を頂いた時に、診療を理由に少し開始時間を遅らせて頂いたので、遅れる訳にはいきません。

さすがに参加者が200人を超えると、雰囲気が違います。小、中、高校の養護の先生のほかに、アレルギー症状が出た時にそれを抑える内服薬、エピペンを預かることを決定した長岡市の園関係者の方も複数、私の話ということで集まって頂いたようです。

80インチくらいのスクリーンに講演のスライドを映写する予定でしたが、参加者が多かったため、後の方が見えないという判断で、ステージ奥のカーテンに映すということで「大丈夫かな?」と不安もありましたが、アトピー性皮膚炎の重症な患者さんの湿疹もそれなりにきれいに映っていたようで、ホッとしました。

今回、養護の先生方にアレルギーの“真実”をお伝えするのが目的でした。“真実”と書いたのは、これを普段からお読みの方はお分かりでしょうが、アレルギー疾患のガイドラインを守りもしない医師が多く、専門医が診れば症状をかなり抑えることができるのに、専門医に紹介もされないケースをよく見かけますので、逆に養護の先生に“現実”をよ~く理解して頂く必要がありました。

講演に先立ち、一言話すことが多いのですが、私としては珍しく「言い訳」でした。アレルギーは医師達にも誤解が多く、とにかく伝えたいことが沢山ある、アレもコレも話すと多分時間が足りなくなってしまうでしょう、ということを話してのスタートでした。その代わり、スライド114枚全部を資料として手元に配布致しました。

こういう話の場合、最初のスライドはぜんそくとアトピー、食物アレルギーの3冊のガイドラインを示します。これらの病気に関する法律と言ってもいい「決まり」があるが、かなりの頻度で守られていない、という“真実”を話し、「えっ!?」と問題意識を持って頂くことが「つかみ」なのです。

ここでは示しませんが、ぜんそく、アトピー、食物アレルギーのガイドラインの「守られ度」を具体的に何%か私見で示します。アトピーのガイドラインは多くの小児科医、皮膚科医が守っておらず、食物アレルギーは壊滅的であると話さざるを得ません。

「守られ度」の低い病気から解説することにしました。もちろん食物アレルギーの話からです。今回の対象地域は「食物負荷試験」がほとんど行なわれていませんから、まずそういう試験が存在することを知って頂く必要があります。多くの参加者の方がご存知なかったんだろうと思います。

昨日も書いたように、キウイのアレルギー検査がクラス4であってもキウイフルーツを食べられたように、血液や皮膚テストでは判断できないという“真実”も、当院での負荷試験のデータを踏まえて、証明できたと思っています。

当院では、食物依存性運動誘発アナフィラキシーの患者さんを何人か診ています。中学、高校になると増えてきますので、事例を挙げて説明しました。

一番、遅れている分野なので、しかもエピペンの取り扱いについても話さねばならず、話していたら1時間くらいかかってしまいました(汗)。あとアトピー性皮膚炎やぜんそくの話もしなければならないにもかかわらずです…。

最近は、ステロイド軟膏を濃いめに十二分に使い、皮膚症状を抑え込む治療が主流ですが、この分野も新潟県は遅れています。少なくとも、当院に逃げてきた患者さんは100%過小治療であり、ステロイド軟膏の説明もほとんどされておらず、本来患者さんが受けるべき、標準的な治療をされている患者さんはいません。実際に当院での治療効果を画像でお示ししました。百聞は一見に如かずと言いますが、「しっかり使うとこうなるんだよ」と見て頂くのが、一番でしょう。

時間がないので飛ばし気味に話しますが、アトピー性皮膚炎は慢性の病気で、医師がキチンと患者さんと向き合い、責任を持って対応すれば、患者さんはそう簡単には医師を代えようとは思わないでしょう。医師をコロコロ代える患者さんが多いのは、患者さんの責任でなく、医師側の問題だと思っています。敢えて言えば、“手抜き”をする医師が少なくないのが現実でしょう。

残り時間が少なくなってきたところで、ぜんそくの話に移ります。これもガイドラインに沿った標準的な治療を示しましたが、小、中、高校くらいになると面倒くさがって通院しないお子さんも出てきます。普段、養護の先生が見てぜんそくという病気が垣間みられるのは、運動誘発ぜんそくだと思うので、その辺も触れました。運動誘発ぜんそくが見られるのは、過小治療の患者さんに多いこと、多くの小児科医が実施していない「肺機能検査」をやれば、いろいろな情報が得られることなども当院で診ている患者さんの検査結果も含めて話しました。

最近は吸入ステロイドを使うらしいからと処方する医師もいますが、薬の選択が悪く、治療効果がないという話もしました。エアータイプと粉タイプがあり、低学年では上手く吸えないこともあるのです。

いろいろと話したいことだらけで、でも時間が限られるというジレンマの中での講演でしたが、途中飛ばさざるを得ない部分もあり、お聞き苦しい点もあっただろうと思っています。でも、少しは私の言わんとしたことが伝わったのかなと思っています。

来週は下越地方に出向きます。160キロ離れているので、大変と言えば大変ですが、食物アレルギーの患者さんや親御さんの方がもっと大変なので、“真実”を伝えに行ってこようと思っています。