上越市での講演が終わったと思ったら、週末は長岡市、次の週は糸魚川市に行かなければなりません。
心配しているのは、来月中旬の日本小児アレルギー学会の講演の準備が、全くと言っていい程進んでいないこと(涙)。ただ、目先のことからやっていかないといけません。私にとってもどれも手抜きなんてできません。
そんな中、またやるべきことが迫ってきました。それはタイトルの通り、待っていた親御さんにとっては、待望の不活化ポリオワクチンが9月から導入されます。
日々、忙しいので、正直言って予防接種にかける時間が足りないくらいです。毎日のように市内は当然のことながら、市外からもアレルギーで困っている患者さんが受診されるので、ともすると30分くらい時間がかかってしまいます。それくらいの時間があれば、数十人の予防接種ができてしまいます。
普通であれば、予防接種は医院の収入源ですから、診療を手早く済ませて、予防接種もとなるでしょうが、私が同じことをしたら、アレルギーで困っている患者さんは行き場がなくなってしまうことでしょう。
予防接種は他の医師にもできるけれど、アレルギーのこだわりの医療は多くの小児科医にはできないので、決して予防接種を軽んじている訳ではないのですが、そうせざるを得ないのが現状です。
当院はいろんなところから患者さんが受診されますが、予防接種の“営業”をやっている医院さんもあるようです。電話を家にかけて来て「うちで予防接種を受けなさい」というものです。当院にかかっている患者さんのところまで電話が来たそうです。ここまで“親切”であれば、狙いは収益を上げることなんだろうなと思います。
実は、今回の不活化ポリオワクチンでも、数年前の新型インフルエンザワクチン、導入されたばかりのヒブワクチンの時と同様に「品不足」が懸念されています。
その時も、どの医療機関もワクチンを欲しがっていますから、奪い合いになってしまいます。一方的に「お宅は何本ね」みたいな感じで決められ、与えられた本数の中で予約を取らざるを得ず、多くの患者さんの希望に沿うことができませんでした。
今回の不活化ポリオワクチンの際も、各医院さんのホームページをみると、立場が分かります。大風呂敷を広げて「予約を開始しました」なんてところと、予約を取りたくても何本入ってくるか分からないので、「予約を取れません」と正直に言っているところです。
いつも根拠のある医療を受けてもらいたいとこの場で言っていますので、当院ももちろん後者になります。ありもしないワクチン分の予約を取ることなんて到底できません。
先ほど、ワクチンの営業をやっている医院さんもあるようだと言いました。普段、病気にならないと医院に患者さんは来ませんが、予防接種は健康な人が打つものなので、より大勢を集めようとする戦略なのでしょう。
当院は、医療をビジネスでやっている訳ではないし、予防接種に充てられる時間も他院よりは少ないので、予防接種の数も少ないのだと思います。「うちで受けるように」なんてことは一言も言ったことはありません。
ただ、赤ちゃんが咳や湿疹で困っており、他院で治療しても良くならず、当院を受診され、的確な治療で良くなると、他院から鞍替えして「予防接種もお願いします」となることが多いのです。なので、相当な人数に予防接種をしています。
となると、通常やっている予防接種に加えて、この秋は不活化ポリオワクチンとインフルエンザワクチンをやらなければなりません。時間が更に足りなくなりそうですが、それは当院の責務だと思っています。
確かに食物アレルギーの講演ラッシュで忙しいのですが、不活化ポリオワクチンの情報も気にはなっていました。でも入ってくるのは、「品不足」で少数しか割り当てられない、というものでした。もう少し具体的な情報を待つしかありませんでした。
昨日、業者さんから具体的な情報が入ってきました。ということで、8月24日以降不活化ポリオワクチンの予約を開始できそうです。医院までお電話頂ければと思っています。
生ポリオワクチンを2回接種してる方は接種の必要はありません。対象になる方は、生ポリオワクチンを1回も接種していない方と、既に1回済んでいる方になります。また、他院で不活化ポリオワクチンを既に1~3回打っている場合も、4回の接種が必要なので、追加が必要になります。厚生労働省のPDFファイルですが、パターン別に示してあり、これが分かりやすいようです。
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/polio/dl/leaflet_120601.pdf
情報によると、9月は品薄なようですが、10月以降はそれも解消してくる見込みだそうです。新型インフルエンザのワクチンの時のように、「我先に」とパニックになる必要はないでしょうから、冷静に対応して頂きたいと思っています。
11月になると、不活化ポリオワクチンを既存の3種混合ワクチンに加えた「4種混合」が開始されるので、現時点で3種混合ワクチンを1回も受けていない方は、4種混合の開始を待った方が得策と思われます。
なお、9月の頭に不活化ポリオワクチンが入ってきますので、9月3日以降の接種の予定でおります。
最近、日本小児科学会が主導でワクチンを積極的に受けるようにという流れになって来ているようです。
例えば、水痘は1歳になったら接種して、3ヶ月あけて2歳前にもう一回接種するとか、おたふく風邪も1歳を過ぎたら1回打って、5~7歳の間にもう一回接種するとか、またB型肝炎ワクチンも最近になって「打っておいた方がいいよ」となっています。
インフルエンザワクチンの予約も来月から取り始め、10月から接種を開始予定です。いろいろやることがありますが、ワクチンで予防できる病気を予防接種をせずにみすみすかかってしまうのは効率が悪いため、予防接種についても理解を深めて頂きたいと思っています。


