小児科 すこやかアレルギークリニック

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クラス4からクラス4
2012年08月29日 更新

毎日、忙しい日々が続いており、やはり新患も多いのですが、夏休み中にという小学生が多いように思います。

今のうちに心配を解消しておきたいということなのでしょう。空気を読んで、じっくり説明しているつもりです。これまでは咳が長引いても、アレルギーという発想につながらず、当院を受診されていなかった患者さんもいらっしゃるでしょうが、最近は咳が長引くと当院を受診される方が増えたように思います。

某小児科で熱と咳が続いているのに、血液検査だけで「マイコプラズマではない」と診断された患者さんが、通院しても良くならないということで当院を受診されましたが、抗体価を調べてみると1280倍でした。限りなくマイコプラズマの可能性が高いという結果です。

医師の言うことが異なると、患者さんは不安になります。前医がどう間違えて「マイコプラズマではない」と言ったのかも含めて説明し、なくべく不安を解消しようとしていますし、あとは病状に見合ったお薦めの治療で症状を改善させれば、患者さんは私の言うことが正しかったと実感して下さいます。説明に時間を掛けない小児科医院が地元には多いですが、逆に時間を掛ける甲斐があると思っています。

さて、そんな中でもそんなに多くはないですが、「食物負荷試験」を実施しています。

多くの小児科医がアレルギー検査のみで、食べられる・食べられないの判断をしていることがおかしな指導を生んでいます。卵白がクラス4だと、多くの医師が「まだ高いから食べてはいけない」と説明していると思います。

クラス4と言えば、卵白の抗体価が17.5~49.9を指します。その患者さんは一年程前の値が42くらいでした。クラス4の中でも高い方になります。検査の間が空いたので、再検査をしようということになりました。

でも、日頃から卵の加工品を食べているので、負荷試験もやって、卵焼きに挑戦しようと言っていました。多くの医師が検査結果をみてから、どうするか決めると思いますが、結果を聞きに来てもらってから、負荷試験をやるのでは二度手間になると思い、結果説明と負荷試験を同日にやる予定にしていました。

負荷試験前に、先日の結果説明をしましたが、19という値に下がっていました。しかし、低い方ではありますがクラス4のままです。私としては、数値がどうであれ、加工品を問題なく食べている事実を重視し、負荷試験はやるつもりでした。できれば、クラス2や3に下がっていた方がよかったのですが、クラス4のままでも負荷試験をやる気持ちに揺らぎはありませんでした。

診療と同時並行で負荷試験をやっていますので、内心は「症状が出たら」という気持ちはありましたが、クラス4だとおおよそ半々の確率で症状が出ると思うので、やはりやってみなければ分からないと言えます。

結果をいいますと、あっさり卵1個を使った卵焼きを完食してしまいました。本当に“あっさり”と平らげてくれました。

ある程度は、負荷試験の経験を積んでいるつもりですので、「これは食べられそうだ」という感覚はありました。だからこそ、負荷試験を薦めたのですが、負荷試験をやるのに、正直「怖さ」はあります。ただし、怖さを感じなくなったら、負荷試験はできないとも思います。

新潟県に限らず、卵の値がクラス4だと食べられないものと、かかりつけ医から“信じ込まされている”患者さんも少なくないと思います。アレルギー検査の数値が高ければ高い程、食べて症状の出る確率は高まります。クラス4だと結構幅があるので、17.5の人と49.9の人では食べられる確率が異なるのかもしれません。

ただ、私の中では「クラス4だから食べられない」と決めつける根拠は薄い、という思いがまた強まりました。

私の家族には食物アレルギーはいませんが、除去を指示するのを患者さんに伝えるのは簡単だけれど、それを24時間、365日×何年も守り続ける患者さんの気持ちを考えると、そう簡単には「除去しなさい」とは言えないのです。

当院にはどういうことか周囲からの紹介がないため、上越には無駄に除去を強いられている患者さんはとても多いと思っています。日々の診療や講演活動でだいぶ“流れ”が変わってきていると感じており、また今回の負荷試験でも「自分のやっていることは間違っていない。これからも頑張っていこう。」という気持ちになりました。

残念ながら、黙っていてもかかりつけ医はアレルギー専門医へ紹介はしてくれないでしょうから、患者さんが思い切って専門医の扉を叩かざるを得ないのが現状でしょう。相談して下されば対応させて頂こうと思っています。