小児科 すこやかアレルギークリニック

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2012年09月04日 更新

アナフィラキシーを2度起こし、その都度入院していた患者さんが受診されました。

当院は、初診ではなく、2~3年前に顔の湿疹で受診されていました。カルテの記載によると、診断基準は満たしておらず、アトピー性皮膚炎とはその時点で診断できないものの、可能性は十分あり、今後注意深く観察していく必要があると説明していたようです。ところが、その後パタリと受診されていませんでした。

残念ながら、その後は他院で治療を受けていたそうですが、乳児湿疹と診断されたそうです。せっかくアトピーに発展していくことを示し、適切な診断と治療に結びつく可能性があったにもかかわらずです。

1歳頃に、食後まもなくアナフィラキシーを起こし、入院したそうです。私ならば、アトピー性皮膚炎に食物アレルギーを合併することは多いので、アレルギー検査はやっていただろうと思います。

アナフィラキシーで入院した際の検査では、卵とミルクと小麦が陽性だったそうです。これが高いのが事前に分かっていたでしょうから、アナフィラキシーは避けられた可能性があります。

食事では卵は食べていなかったそうで、乳か小麦が原因であろうと思われました。ただ、それ以上の検索はなかったそうです。確かにアナフィラキシーを起こす食材を安易に負荷試験はできませんが、どちらか一方は“濡れ衣”でしょうから、どちらが原因かをなるべく明らかにする必要はあるはずです。プリックテストという皮膚テストも、ある程度有用だったりします。

違うかもしれない食品におびえ、目安もなく除去し続けるのは辛いはずです。ここも専門医に紹介するタイミングであろうと思っています。

しばらくして、小麦の数値が下がってきたと、「家で小麦を食べさせてみるように」と説明があったそうです。これも多くの患者さんが「有り難い。ラッキー!。」と考えるでしょうが、「怖いので、先生の前で食べさせてみていいですか?」と聞くべきでしょう。小麦がアナフィラキシーの原因である可能性を示しておいて、家で食べさせるのは、かなり危険な行為と言えます。残念ながら、ここも紹介のタイミングでした。

今年に入って、また食後にアナフィラキシーを起こし、入院します。それでも大した原因検索は行なわれておりませんでした。

また、ありがちなケースですが、受診時にもしやと思い聞いてみると、ピーナッツやソバ、エビやカニ、イカやタコ、イクラやタラコ、キウイなどアレルギーを起こすことで知られている食品を、怖いと言う理由で除去していました。

それこそアレルギー検査の数値が高いからと言うのならまだ分かるのですが、検査もしていなので、食べていないことに根拠は薄いと言わざるを得ません。私なら必要なら負荷試験を行ない、食べられるものを増やそうと動いたでしょう。

つい最近になって体重が15キロを超えてきたため、エピペンの必要を考え、当院を受診されたようです。本当なら、もっと早い段階で専門医にかかるべきであろうと思っています。親御さんの話を聞きながら、何度も「もっと早く受診してくれていたら」という考えが浮かびました。

ただ今更言っても仕方なく、遅れを取り戻すべく、一生懸命精査をやっていかなければならないと思っています。