小児科 すこやかアレルギークリニック

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2012年09月10日 更新

先日も触れたように、当院は上越の地に開院して5歳の誕生日を迎えました。

「隣の芝は青く見える」のかもしれませんが、地元の医療には多くの課題があるように感じています。ハッキリ言ってアレルギーは“誤診”が多く、患者さんは医師をベッタリと信用しているため、「診断を間違い、治療を間違っているからこそ、症状が改善しない」ということが当たり前のように繰り返されています。

開院して5年経ち、園や学校の先生の推薦で当院を受診される患者さんも増えてきました。本当なら、同業者である医師が、当院が専門としている分野なだけに、自分の手に負えないと思った時点で、紹介してくれれば何の問題もないのですが、その辺が意向もあるのでしょうが、結構ドロドロしています。

小児科は、アレルギーの子どもが増えているとは言え、診療のメインは感染症です。ちょっと熱が出たり、吐いたりすれば、慌てて小児科を受診するなんてことはよくあることでしょう。ただ、この感染症ですら医師の言うことが異なり、かなり困っています。

例えば、昨年秋から全国的にだと思いますが、マイコプラズマが流行っています。数ヶ月前に学童、生徒の間で流行っていましたが、最近は園児が中心のようです。

このマイコについても、ことあるごとに触れてきましたが、かかっている間に即診断できる方法はありません。検査自体はあるにはあるのですが、結果の信頼度が低く、少なくともプロの間では使われていません。

要は誤診の原因になるため、当院ではその検査は使っていません。しかし、近隣の複数の医師がこの検査を根拠に「マイコプラズマです」と診断しているため、場合によっては私の言っていることが信用されないのです。いまだに園や学校で、「マイコプラズマかどうか血液検査で調べてもらってきて下さい」と言われます。この検査が診断確定に使えないことは、県内の小児科医のメーリングリストで話題になっていますので、その先生方もご存知のはずです。

残念ながら、開業医は自分がシロと言えばシロ、みたいなところがあります。これだけアレルギーの誤診が多いのも、逆に職場に医師が一人しかいないため、思い込みや勘違いをしても、誰も「間違っていますよ」とは言ってくれない訳です。中には、経営を優先にする医師がいれば、かなりねじ曲がった医療になります。1週間も点滴に通わせるとか、熱が続くと、デカドロンという強いステロイドを点滴する医師もいますが、こんな治療をする医師は全国的にも少ないはずです。

誰も誤りを修正してくれる人がいない分、開業医こそが学会などに参加すべきでしょう。おかしなことをやる医師に限って、絶対に紹介はしてこないので、かなりひどい状態になってから当院に駆け込んでくる患者さんもいるのです。

5年頑張ってきて、それでも当院の存在を知っている地元の親御さんはさほど多くないようです。感染症でも真面目に取り組んでいるつもりですから、1週間も点滴に通うなどといった、有り得ない治療をされる前に当院に相談に来てくれたらと、いつも悔しく思っていました。マイコの診断も、複数の医師がその検査で確定できると言っているので、正しいことを言っている当院が“多数決”で負けてしまうのです。

そんな中、先週上越市内に小児科がオープンしました。これまで地元の開業医は、私が最年少でしたが、もっと若い先生です。

若い=頼りにならないではありません。若くないと、これまでやってきた方法を優先することも多いでしょう。アレルギーの診療もマイコプラズマの診断も、逆に若い先生の方が新しい動きに敏感なため、正しいことをやってくれます。真面目な先生なのは知っていますので、これで多数決にも負けずに済みます。

当院が休診の時は、安心してその先生のところに行ってもらうよう誘導もでき、これで心置きなく学会に行くこともできます。中にはライバルが増えたと苦々しく思い、自分の患者を減らさないよう引き締めにかかる医院さんもあるかもしれません。

私の場合は、「待っていました」って感じで、歓迎ムードです。逆に、得意分野を互いに活かして、これも待ちに待った「連携」ができると思います。これまではアレルギーも、感染症も無理をしてでも頑張らなければなりませんでしたが、ちょっと楽をできるのかなと思っています。

上越に開院して、他の地域では見ないようなおかしな医療がかなり目に付き、それから子ども達を守りたいと思っていました。毎日のようにこの場でいろいろと書いてきたのも、一人でも目にしてくれ、そういうことに気付いてたらと思い、やってきたことです。一人でやることにも限界があり、根拠のある医療をやってくれる、若い医師が増えることが、その対策になると思います。

これから地元も新時代になっていくのであろうと思っています。