小児科 すこやかアレルギークリニック

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まだまだ短い
2012年09月24日 更新

先週の日本小児アレルギー学会が無事に終わり、久々に解放された気分です。

ずっと講演やら何やらで忙しかったので、フルに休める休日なんてずっとありませんでした。この週末は、本当に久し振りに、某自動車メーカーのCMになぞらえて、「男旅」と称して、息子とゆっくりドライブをしてきました。

関東の方をぐるっと回ってきたり、カラオケをしたりして、一番犠牲になっていたと思われる、家族とのふれあいを罪滅ぼしの気持ちを持ってこなしました。

夜になって、テレビをつけたら「サマーレスキュー」という医療系ドラマの最終回をやっていました。最後のシーンでしたが、医師役の主人公が「病気や怪我の患者さんに全力を尽くすのが医者の仕事だ」と言っていました。

ありきたりのフレーズなのですが、果たして私も含め、多くの医師がそうしているのだろうか?という疑問を持っています。

例えば、当院もインフルエンザワクチンの予約を受け付けており、来月9日から接種を始めます。当院はアレルギーをやっていることもあり、「うちの子、卵アレルギーがあるのですが、打てますか?」と聞かれることがよくあります。

例年何人にも聞かれますし、今年も既に何人もそう言った相談を受けています。当院に来られた食物アレルギーの患者さんに「食物負荷試験」の話をしてもほぼ全員が「初めて聞きました」とおっしゃいます。しかし、「卵アレルギーがあるとインフルエンザワクチンが打てない」という“噂”は多くの人が既にご存知です。

最近はネットや本などでも情報が得られるのでしょうが、多くの医師が「卵アレルギーがあると…」とよく言っているのでしょう。だから、これだけ“噂”が広まるのだろうと思います。ネットや本でも食物負荷試験のことは出てきますが、ほとんどの小児科医が負荷試験の話を出しません。

実際、医院のホームページなどに「卵アレルギーのある方は打てません」なんて書かれているケースもあります。これをサラッと読んだ方は、「あー、やっぱりうちの子は打てないんだ」とか、卵アレルギーの子を持つ友人に「あなたのうちの子、卵アレルギーあるでしょう。インフルエンザワクチンのワクチンは打てないんだって」なんてことになってしまいます。

当院では、アレルギーの患者さんは県内ではトップクラスに多いと思いますが、ワクチンは断ったことがありません。打てなかったこともありません。今後、そういったケースに遭遇する可能性はありますが、接種する努力は欠かしたことはありません。

患者さんがインフルエンザワクチンの接種を希望された時に「卵アレルギーがあるから打てない」と言うのは自由ですが、そのままでは卑怯だと思います。つまり、その先生のところで接種を希望された訳ですから、自分の責任において「打てない」と判断した場合は、打ってくれそうな医師や専門医に紹介して初めて、患者さんに責任を果たしたと言えます。

そうしていない医師がいかに多いことか。この辺も医師のモラルの低下を表していると思っています。私に言わせれば、簡単な患者だけ集めて、面倒な、リスクのありそうな患者は「あっちに行け」と言っているようにしか思えません。確かに、そうした方が責任は負わなくていいし、手間もかからないという旨味があるでしょう。

私は地元の医療レベルは高いとは思っていません。真面目にやっている小児科の先生には申し訳ないのですが、要は足を引っ張っている小児科医がいるという意味です。私は地元の小児医療を立て直したいと思っており、“嫌な役”にも徹しています。つまり、「卵アレルギーがあるから…」という話が出た時に、医師のモラルの低下がそうさせているという話をすることもあります。

ぜんそくなのに“マイコプラズマ”と繰り返し誤診されていたり、明らかなアトピー性皮膚炎を“乳児湿疹”と診断されているような時にも、ガイドラインを守っていない、我流のことをやっている医師がいるから、こうなるということも敢えて言っています。

「営業妨害だ」という声も出るかもしれませんが、日頃から誤診を繰り返している医師も居ます。誤診しても、かかった医療費が誤診した医師に支払われるというおかしな事態が日常的に発生しています。真面目にやった方が儲からないという危うい側面を持っています。中には、わざとそうやっているとしか思えないケースすらあり、まさに“営業”になってしまっています。そういった“営業”なら妨害しても許されなければならないと思っています。当たり前のことですが、まともな診療は妨害していないつもりです。

患者さんに全力を尽くすのが医療なのですが、ことアレルギーの分野で全力を尽くす医師が多ければ、私がこの場で「ああだ、こうだ」と指摘する必要がなくなります。症状が改善していないのに、「自分の診断や治療が間違っているのでは?」と素直に考えてくれる医師が少ないのが気になっています。

「お医者さんが間違うはずがない」と考えている親御さんもまだまだ多く、開院して5年経ち、上越の医療を立て直す努力はしてきましたが、「5年という時間はまだまだ短い」と思っています。

冒頭に、久々にゆっくりしたと書きましたが、患者さんを思うと、そんな余裕をかましていることは許されません。上越だけでなく、某市の食物アレルギーの体制は最低レベルなので、それも何とかしないといけません。これからもいろいろなアクションを起こしていこうと思っています。