最近は、気温の急激な変化でぜんそくの調子の悪い方が多いようです。
朝のワイドショーでも言っていましたが、最高気温が10度も変わってくるので、ただでさえ体調を崩しやすいのですが、ゼーゼー言ったり、強い咳き込みのお子さんが確実に増えています。
それに伴い、新患も多く、1日に10人くらい来られることもあります。昨日はそれ以上かという程でした。ぜんそく、アトピー性皮膚炎、食物アレルギーといろんな患者さんが来られます。
ただ、先日も言いましたが、地元にはアレルギーの専門医がいないため、明らかな誤診で良くなっていないだけで、問診票を斜め読みしただけで、前医が何を間違ったか分かってしまう程です。明らかに医師の知識を超えて、対処不能になっており、それでも分かる専門医に紹介しようとしない態度に、いつもガッカリさせられます。もっと患者さんの気持ちの分かる医療をしないと、どんどん患者は減ってしまうでしょうし、逆に地元の患者さんのために減ってもらった方が良いとさえ感じます。
昨日、「何のため?」と思ったケースに遭遇しましたので、それについて触れたいと思います。
某医院さんで、卵白がクラス4の患者さんにゆで卵を半分食べさせたのだそうです。アレルギーが専門でないため、患者さんの話を聞いていて「えっ、そんなことしちゃうの?」って思いました。以前、県外の開業しているアレルギー専門医であっても、クラス4以上はなかなか負荷試験を行ないづらいというデータもあります。負荷試験をやり慣れていない、しかも専門医でなければ、相当リスクは高いと思います。
そもそも、ゆで卵を負荷する時に最初に食べさせる量が問題で、それが患者さんの限界を超えていれば、最初の一口でアナフィラキシーショックに至る可能性もあります。負荷試験をこだわってやっている私でさえ、難しいと思うし、いつも緊張します。
親御さんの話を聞いていて、何も症状が出なかったことを聞いて、私もホッとしました。正直、ヒヤヒヤしながら、話を聞いていました。もしアナフィラキシーで入院しようものなら、患者さんは仕方ないと思うでしょうが、無謀な挑戦なら目も当てられません。
以前も書いたように、除去を指示していて患者さんが家で食べるのは、患者側の責任ですが、負荷試験はすべて医師の責任となります。自分で責任を取るのは当たり前として、不用意な負荷で患者さんを入院させてしまえば、患者さんが気の毒です。なぜ私の元に紹介して下さらないのか、不思議でなりません。
いずにれしても何も起きなくて良かったです。負荷試験をやる目的は、患者さんにどこまで食べられるかを明らかにすることにあります。症状が出た時の対応はもちろん、食事指導もある程度は行なえなければなりません。
患者さんは、当院の存在を知らず、前医から卵を食べて良いと言われ、いろいろ食べてみたところ、発赤などの症状が出たのだそうです。そして、卵の少量入ったパンでもそういった症状がみられたそうです。医師に相談すると、パンの中に卵が1/2個以上が入っていたのだそうです。話を聞いた限り、そんなに入っているとは思えませんが…。
親御さんも食べられると喜んでいたのに、予想外に症状が出てしまい、困ってしまい、これからどういう風に食べ進めていたったら良いのか分からなくなってしまったのです。
私も何でも分かる訳ではありませんが、食物アレルギーの基本的なことが分かっていれば、親御さんを納得させるだけのアドバイスは与えられると思います。今回の件で相談したら、「じゃあ、加工品も止めておきなさい」となったそうです。売り言葉に買い言葉って訳ではないでしょうが、「心配だったら止めておいたら」という感じだったようです。
ゆで卵半分食べていて、加工品を除去という指導って一体…って感じです。これでは何のために負荷試験をやったのか、訳が分かりません。医師がどこまでアナフィラキシーのリスクを分かっていたのか分かりませんが、患者さんもそれなりのリスクを負って負荷試験を受けたのに、全く前に進めていないのです。
インフルエンザワクチンの予約するように言われたそうですが、それすら心配になってしまい、卵アレルギーのこと、インフルエンザワクチンのこと、疑問を解消するために当院に受診して下さいました。
当院は、負荷試験目的で、市外や先日は県外から受診もありましたが、とにかく食べられるものを増やす、というのがコンセプトです。患者さんにしてれば、アナフィラキシーのリスクを負って負荷試験を受けているので、「ここまで食べられる」という証しが欲しいのだと思っています。
今回のようにリスクを背負って、食べられたのに、食べられるものが増えないと言うのは「何のため?」と言いたくなります。食物アレルギーの基本を勉強してから、負荷試験に進んでいった方が良いと思っています。場合によっては、当院で負荷試験のし直しすら考えないといけません。
この前、例に挙げたのですが、ラーメンを食べて蕁麻疹が出たために、某小児科を受診し、卵白がクラス3だったそうです。向こう3年は卵を除去と指導されたそうですが、このお子さんは卵焼きなどをなに不自由なく食べていました。とんだ迷惑な指導をしたと言わざるを得ず、食物アレルギーのことを全く分かっていない医師がこういう指導を行ないます。
真面目な小児科医は、先週あった日本小児アレルギー学会などに参加して勉強しています。注目を浴びているため、食物アレルギーの会場はほぼ例外なく、満席になります。アレルギーにあまり興味がない場合は、確かに食物アレルギーを勉強しようと思っていても、勉強する場ってあまりなかったりします。来月6日にせまった「すこやか健康フェア」は医師でも参加可なので、食物アレルギーの分野では日本の第一人者の先生の話を聞いて頂きたいものだと思っています。


