小児科 すこやかアレルギークリニック

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恵まれているはずが
2012年09月29日 更新

食物アレルギーで恵まれているのは、神奈川の患者さんだと聞いたことがあります。

確かに、相模原病院や神奈川県立こども医療センターもあります。全国的には他にもあるでしょうが、神奈川県民がかなり恵まれた環境にあるのは間違いないでしょう。

先日、横浜市在住の患者さんが、里帰りの関係で当院を受診されました。少し前に神奈川県K市の患者さんが「ありゃりゃ」という対応をされていた話をしたばかりですが、今度はもっと恵まれているはずの横浜市です。

とはいえ、数年前ですが、横浜在住だった患者さんがこちらの帰ってこられ、当院で対応したことがあります。それまで大病院の皮膚科に通っていましたが、アレルギー検査の数値だけで卵、牛乳、大豆を除去されており、軟膏治療も驚く程貧弱で、ビックリしたことがあります。

今回の患者さんは、まずご両親ともにアトピー性皮膚炎があり、それだけでアトピーになる可能性は極めて高いのに、“乳児湿疹”と診断されていました。

最近は、大人の指の第一関節分の長さをチューブから出し、それを手のひら2枚分の広さに塗るのが適量とされるFTUの考え方が徐々に広まってきていますが、完全にお構いなしの指導がなされていました。つまり、「うすく塗る」、「湿疹が良くなったらすぐに止める」などと言った指導です。そもそも、アトピーの診断ができない医師に、FTUの塗り方を求めること自体がナンセンスなのでしょう。

驚いたことに、いきなり「卵と牛乳は除去」と言われたのだそうです。「アレルギー検査をしましたか?」と聞くと、したこともないとのこと。卵と牛乳を除去する根拠は何なのでしょう?。もはや、食物アレルギーは卵が最も多く、2番目が牛乳という“確率論”なのでしょう。医師は「医学」という学問に精通した言わば「科学者」であるはずなのに、何の根拠もないことを平気で言ってのける医師に、ある意味“脱帽”です。

知ったかぶりをする医師がどうしてこうも多いのでしょうか?。医師として恥ずかしくないのでしょうか?。この辺でも、子ども達のために「食物負荷試験」を実施してなるべく食べられるものを増やそうと考える小児科医がほとんどおらず、モラルの低下を指摘していますが、横浜市でもこうなんだなんと現実を突きつけられた気分です。

「アレルギー検査は小さいからできない」と言われていたそうですが、当院は生後3~4ヶ月からアレルギー検査を行なっています。採血のタイミングなど調べもしないで、テキトーなことも言う医師が大勢いるものだと感じています。

横浜市であろうと、患者さんが真実を知るのはかなり困難があるようです。しばらく上越にいらっしゃるそうで、必要かどうかも分からない卵の除去も、アレルギー検査の結果をみて解除していこうと思っています。

卵と牛乳の除去をしていて、卵としか書かなかったのは、牛乳は家で飲ませてみろと言われたため、つい最近飲んでも何ともなかったのだそうです。

これは牛乳の除去がもともと必要がなかったのか、それとも必要があって、治ってしまったのかは何とも言えません。しかし、必要のない除去だった場合は、間違った指導で患者さんに迷惑をかけていたことになります。なぜに医療は、間違ったことをして報酬が得られるのでしょうか?。

この患者さんは、実は発熱で当院にかかったのですが、アトピー性皮膚炎と食物アレルギーの説明に時間を費やしました。負荷試験の話までしちゃったりして、お母さんも風邪そっちのけで、私の話に食い入るように耳を傾けて下さいました。

お母さんの当院を選んだ目的までは聞きませんでした。ただ風邪症状を診て欲しくてたまたま受診されたのかもしれません。そうであれば、本来の目的と逸れた話を延々としたのかもしれませんが、私としては“人助け”ができたのだろうと思っています。結果オーライです(笑)。

はたと地元を顧みると、昨日も触れましたが、肺炎になっても風邪と言い切る小児科医もいるくらいです。ぜんそくも、かなり見逃しています。アトピー性皮膚炎を乳児湿疹と診断したり、薬の塗り方のFTUすら説明しない皮膚科医もいます。

上越市は、横浜市よりは相当恵まれていないと思っていましたが、横浜市は医師が多い分、非専門医も多く、専門医に巡り会うという意味ではそんなに変わらないのかもしれません。ただ、「変わらない」と言うためには、当院が今以上に頑張ることが必要なのだろうと思っています。