小児科 すこやかアレルギークリニック

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2012年10月17日 更新

耳にタコができるくらい繰り返していますが、食物アレルギーの診療に「食物負荷試験」は欠かせません。

それでも、まだまだ浸透度が低い気がします。説明すると、「そんな方法、初めて聞いた」とおっしゃる方が多いのです。

当院にかかっている患者さんは知っているため、「そろそろまたやりたいんですが」と言われることもあります。そう言われると、ホッとします。

全国的にも有名なアレルギー専門病院では、負荷試験の予約が数ヶ月前まで一杯なんてことも聞きますが、当院の場合は決してそうではありません。昨日も2人に牛乳の負荷試験をやりましたが、少し前に診療中に相談を受け、16日に決まったのだと思います(汗)。

月曜は外来がより混雑することがあるので、火曜、木曜、金曜に実施しており、春などの需要の多い時期には月曜にも組み入れています。今の時期は、それ程ニーズも多くありません。負荷試験をする人がいない日はまずありませんが、私としてはもっと予約を一杯にしたいと思っています。

県内には、負荷試験の存在すら知らずに、アレルギー検査の高いものは何でもかんでも除去し続けている(し続けさせられている)患者さんはまだまだ多く、負荷試験を受けたことのある患者さんは、ほんのひと握りだろうと思っています。

食物アレルギーの正しい知識を広めるために「すこやか健康フェア」を開催しています。それなりに費用はかかりますが、「困っている人の救いになれば」と思って実施しています。参加者の方には、負荷試験の必要性は伝わっているのだと思いますが、ニーズとして増えていないのが気になります。

別に負荷試験の必要な患者さんが、全員当院にくればいいと思っている訳ではありません。ただ、上越、中越では受け皿である負荷試験実施施設がほとんどないため、必要があれば、当院に来るのも選択肢のひとつなはずです。正しい知識を提供しても、負荷試験という行動に移せない患者さんも多いということなのでしょうか?。

昨年1年間で、当院では負荷試験は300件弱でした。「すこやか健康フェア」や講演などの啓発活動を年々繰り返していますので、年々実施件数が増加するはずですが、それ程でもないようです。もっと大勢の方に負荷試験を受けて、食べられるものを増やして欲しいと願っています。

中には “除去に慣れてしまって”、負荷試験の必要性も感じない患者さんもいるのかもしれません。確かに、負荷試験には症状が誘発されるというリスクを伴うし、敢えて食べなければ症状は出ないのです。

私の立場は開業医であり、負荷試験をやって、万が一アナフィラキシーショックという重篤な状態に陥ってしまった場合、近隣の病院に入院をお願いする可能性もあります。私としては、それだけは避けたいと思っています。

それでどういう工夫をしているかと言えば、“薄いもの”を使っています。卵アレルギーなら卵焼きやゆで卵1個、牛乳アレルギーなら牛乳200ml、小麦アレルギーならうどん100gというのが、負荷試験における負荷量の相場になっています。

負荷試験をやる患者さんは軽い人から重い人までおり、重ければ卵1個や牛乳200mlなんて到底無理という方もいます。私の方も勇敢?に挑もうとは思っておらず、卵や牛乳成分を薄く含んだ加工品でまず負荷試験をやっています。

食べられるものを増やしたいと思えば、濃いものが無理そうなら、薄いものと考えるのは当然でしょう。濃ければアナフィラキシーを起こすかもしれないけれど、薄いものなら発赤や蕁麻疹などの軽めの症状で抑えられる可能性が高いと考えています。

多くの患者さんが、負荷試験を受ける際に「アナフィラキシーを起こしたらどうしよう」と不安になるのだと思います。当院でも他施設でも負荷試験をやる限りは、そういったリスクがついて回ります。負荷試験の本来の目的は、食べられるかどうか白黒をつけることです。ただ、当院の場合はそれに追加して、症状が誘発される確率を減らす努力は必要だと考えています。

その確率をゼロにしたいのだけれど、ゼロは有り得ません。やはり、“薄いもの”、つまり加工品を使って、誘発されるであろう症状を極力少なくし、出ても軽く抑えることが大切だろうと思っています。

負荷試験の存在を知っても、身構える親御さんが多いのかもしれません。リスクはゼロにはなりませんが、多くの患者さんがもう少し気軽に受けられるように工夫をしていきたいと思っています。